2023年7月16日(日)に開催された第41回全日本トライアスロン皆生大会。初参加(DNF)レポートです。備忘録とこれから参加される方への参考になれば嬉しいです。
それでは以下、レポート5バイク編です。同じ失敗をする人がいませんように!
激坂が評判のバイクコース!
皆生のバイクコースと言えば、前半の大山の劇坂と後半の「ジェットコースター」と例えられるアップダウンが有名です。
私の心配は県外の長いロングは試走ができず、走りながら先の見通しが立ちづらいであろうことでした。
そこで皆生トライアスロンの参戦ブログを拝読したり、YouTubeでコースの確認をするよう心掛けておりました。
とくにこちらの動画は分かりやすく編集されており、チームに同じ「林原」さんがいらっしゃるということもあり、何回か見て予習しておりました。
とはいえ、皆生のコースは複雑で到底覚えきれません。※こちらでご確認を。
「40キロまでは平坦、そこから大山観光道路に入り3キロで獲得標高約200m(斜度約7%)、そこからは一気に下るので気を付けて、以降は斜度があっても短めの坂だから頑張ろう!」くらいの認識で、「看板と誘導に従えばゴールに着くだろう」と気楽に構えておりました。
なお、皆生トライアスロンはバイクで街中を走り、道路の封鎖はありません。途中で自転車を降りて地下道を歩く箇所あり、一時停止を求められる場所、バイクを止めて車を優先して通されます。
一生懸命走ってきたところで止められるのは残念ですが、これもルールなのでイライラしないようにしましょう。
40キロまでは計画通りニコニコペース
スイムで制限時間を40分残すことができ、ご機嫌にバイクをスタートした私。
計画はマーク・アレンの教えに従い「練習のような気持ちで、最大有酸素心拍数で進むこと」です。
8時30分過ぎにバイクをスタートし、制限時間は15時30分です。
7時間で帰ってこないとDNFですが、140キロ÷7=20km/h。坂が多いとはいえ、下りでは40km/h以上でることも考えると、鈍足の私でも決して無謀でもありますまい。
またラン40kmについては、15時30分から制限時間の21時30分まで6時間。
8:40 / kmで進んでも5時間46分40秒です。
昨年の佐渡国際トライアスロンBタイプ(ラン21km)で2時間41分17秒、黒部名水マラソン(フル)で気温37度の4時間56分19秒だったことを考えると、ラン40km6時間も非現実的な数字ではないとみていました。
そんなことを考えながら、ルンルンとバイクをこぎだしました。
当初、スピードが上がらない?と感じましたが、向かい風と緩やかな登り坂だったからですね。
途中、名物の地下道も通過。40km地点までは、心拍数150bpm以上にならないよ気を付けながら順調に進みました。
もうすぐ大山の坂越えです!
ナチュラルにコースロスト!?
ここはどこ?
それからT字を一旦停止してから左折。右からくる選手とぶつからないように進む地点がありました。
その後看板で左折と直進を指している看板がありまし。が、前にスタッフがいた?かはっきり見えなかったように思います。
でも、スタッフの誘導にそって、前の選手と一緒に直進へ。今から思うと、ここで止まって確認するべきでした……涙
皆生のバイクコースは沿道にポイントの番号を記した看板があります。これをなんとなく見ていたのが幸いしました。
110番台を見ていたはずか、ふと見ると160番台。
おまけに「これから上るぞ~」と気合をいれていた大山が離れていきます。
周りにムキムキの速そうな男性しかいません。
「なんかおかしいぞ?」と感じましたが、スタッフも審判員も見当たりません。
逆走していいか指示を仰ぎたいのにスタッフが見つかりません(逆走は不可が一般的かと思います)
まずいまずいまずいまずいと焦りながら進むとエイドを示す看板が。さらに進んでエイドに到着し「TO(Technical Official=審判員)はいますか?」とボランティアさんに確認するも、審判員はここにもいない様子です。
慣れた感じのスタッフの方が出てきてくださり、現在地を確認。聞けばここは72km地点(あとから確認したところ「淀江古代給水所」ですね)とのこと。
「どこまで戻るんでしょう。おそらく直進と左で道が分かれていたところで間違えたと思うんですが」
と伝えたところ、地図を確認し「ここに戻ってください」とのこと。スポーツドリンクと水をもらって、急いで戻ります。逆走して、戻るしかありません涙
救世主登場!
というわけで、たくさんの選手とすれ違いながら戻る私。
そのときは自分しか間違った人がいないと思っていたこともあり、恥ずかしくて泣きそう。知り合いに会わないよう祈っていました。※見られていたそうです……とほほ。
戻るときも、逆走していいのか確認して指示を仰ぎたく審判員を探しましたが、ほんとに見つかりません。ロングは距離が長いため、審判員の配置も大変なのでしょう。
言われた場所に戻りましたが、誘導をしている警備員さんは「ここは間違えない」とのこと。えー!違うの??
どうしようかと焦っていたら、そこにオートバイに乗った審判員さんが登場。救世主の登場に思われました。
事情を説明したところ、やはり「逆走はダメ」だったそうです(どうしたらよかったのかはいまだ不明。本来は失格だったのでしょうか…)。
地図を再度確認し、正しくは「120地点」まで戻ればよかったことがわかりました。
今きた道をまた数km戻らないといけません。いったい何kmロスするのでしょう。
制限時間ギリギリ予測の私はもう涙目です。
今度は審判員の方がそこまで先導してくださることになりました。
戻っている途中、道路から少し離れた木々の陰で座っている審判員さんが「34番、来られましたね」と声をかけられました。そ、そこにいらしたんですね!
余談ですが、暑い中に炎天下で長時間立って選手を見ていないといけない審判員の方々は、本当に大変そうでした。
これから温暖化で夏がこんなに暑いのが普通なら、審判員は日傘や冷却服の使用するのが、安全上よいのでは?と感じました。
そして、120地点「このみ橋先T字路」に到着しました。誘導してくださった審判員さんに水があるか質問されました。
先ほど補充したスポーツドリンクはすでに半分ほどで心もとなくはありました。が、どうしようもありません。そのまま大山道路へと入りました。
ちなみに道を間違えなかったとしたら、18km地点の「南部かけあい給水所」以降は59km地点の「伯耆植田正治A・S」まで給水なしで大山道路の坂アタックです。
他の方の参戦記をみたところ、給水ボトルに水が半分程度しか入っていなかったようで、水枯れ地獄に苦しんだ方も多いようでした。
振り返れば、18km地点でボトルを多めにもって、背中のポケットに入れておくのが良かったのかなあと思います。
坂は前評判ほどでもない?
と、こんなハプニングがありましたが、なんとか正しいルートに戻りました。
やっと激坂チャレンジです。ここでは大山道路を3kmで約200mを上ります。
この坂は、事前対策として、富山で皆生大会に似せたコースを作ってもらって練習したおかげか、予想よりはキツくない印象でした。
たんたんと上り、ゆっくりバイクの方や降りて歩いている方、木陰で休んでいる方などを20人くらい抜いたかと思います。
途中誰もいなくて「コースあってる?」と不安になることもありましたが、ところどころに応援ボランティアや住民の方がいらして声をかけてくださるのを目印に前に、前に進みます。
もう距離が把握できておらず、「どこまで上るのかしら…?」と思っていかところで、「あと少しで上りが終わって、あとは下りだよ!」と声をかけてくださった方がいらっしゃいました。
遠目ですが、おそらく、トライアスロンブランド「CEEPO」創業者の田中信行さんではなかったかと。
こんな遅い参加者までお声がけくださってありがとうございます! 次回のバイク買い替え時には「CEEPO」も検討しますっ!
エイドスタッフのみなさん、ありがとうございます!
最高地点を過ぎたら下り基調のアップダウンが続きます。かなり距離と時間がロスしているのは分かっていたので、ひたすら急いで走りました。
私は坂を上るのは苦ではありませんが、下りはスピードが出過ぎて苦手。しかし、そんなことも言ってられず「怖いよ~」とひやひやしながら進みました。
150bpmまでに抑えようと思っていた心拍数管理ももう無理。160bpm以上に上がっていましたが、「休むのはバイクが終わってから!」と自分に言い聞かせて進みました。
そのうち、2回目の到着となる72km地点「淀江古代給水所」に到着。今度は給水所に人もまばらです。
しかし、私の姿を見つけたボランティアスタッフの皆さんが「来た~~~~~!」と私に向かって走ってきてくれました。
「戻れたんですね!」「お疲れさまです!」など、口々に労をねぎらってくださいます。
私もお礼ののち「スポーツドリンク2本、水1本、スポンジひとつください!」とお願いしたら、みんなでもってきてくださいました。まるでF1のピット状態。ほんとうにありがとうございます!
それからも、ひたすら前へ。制限時間は厳しくなってきましたが、「後半は下り基調」という記憶を頼りに前へ前へと進みました。
しかし、全速力で走ってきても、信号や交差点で車がいれば止められます。ルールとはいえこれは切なく、焦ります。
そうしているうちに93km地点「中山温泉癒しのA・S」で久しぶりに審判員さんが現れました。
そう、関門の13時25分に10分ほど?間に合わず、「ここで終わりです」のお声がけ……リタイアとなりました。
皆生風コースを作って一緒に走ってくれた仲間や応援してくれた仲間、快く送り出してくれた家族を思うと、申し訳なくて仕方ありません。
悔しくて、涙が出てしまいました……。
リタイア後はかしましく競技場へ
関門に間に合わずリタイアとなった選手は、このA・Sから回収車に乗って、どらパーク米子陸上競技場に戻ります。
見るとテントには、熱中症なのか目を閉じて横たわる選手の姿がありました。
待ち時間は1時間以上になったでしょうか。この日は熱中症でリタイアする選手が多く、回収車が足りなくなり、いつ戻れるか分からないとのことでした。
ちなみに私は暑さにはわりと強く、思ったより暑くないあと思っていたのですが、この日の最高気温は37度以上あったようです。
ここで200人とか多数の選手がリタイアになったと後からききました。
ピンピンしていた私は、自走で帰れるのになあと思っていましたが、それはNGとのこと。ただただ、いつ来るか知れない回収車を待ちます。
あまりに手持ち無沙汰だったので、近くにいた女性参加者に声をかけ、おしゃべりをして過ごしました。
そのうちに回収車がやってきました。最初は体調不良の人たちが乗り込みます。次に女性が案内されました。
女性ばかりが集まった車中は、とても賑やかです。この大会がどうだったか、次は何に出る? 来年リベンジしようよ!などなど。
私が道を間違ったことを話したら、ほかにも道を間違った方がいらっしゃいました。
どうして皆は間違わないのに私だけが間違ったんだろう…とかなり凹んでいましたが、ひとりではなかった…と同じ状況の方を見つけ、かなり気が楽になりました。
たくさんの人が間違えていた!
ちなみに私たちが間違えたこの場所。皆様方の参戦記を拝見すると、「案内看板が倒れて見えない」「誘導が分からず、間違えた」などの声が見られました。
私が話した人だけでも「道を間違えた」という人が10人くらいいらっしゃるようでした。中にはそのミスが響いてリタイアという人もいるかと思います。
コースを把握するのは選手の仕事だとは承知していますが、コース中222か所あるポイントをすべて覚えるのは特に県外選手にとって現実的ではありません。
前日に下見をしたけど間違えたという人にも数人遭遇しました。
41回も開催されている権威ある大会でもありますし、誰にとっても分かりやすい看板や正しい案内がされるように改善を期待したいところです。
また、選手側の自衛策としては「コースをサイクルコンピュータにダウンロードしておく」という方法を後日、バイク仲間から教わりました(そんな便利なことができるとは、知らなかったんです)。
皆生のバイクコースはとても複雑なので、可能な方は文明の利器を活用されることをオススメします。
新しい出会いに感謝!
競技場についたら、リタイア組の女性たちと一緒に移動しバイクをおろして、預けてあった荷物をピックアップしました。
リタイアは残念でしたが、ロングに出場する女性というレアな属性の方々と出会い、いろいろお話しできたのは、嬉しい出会いでした。
まずはリタイア組で記念撮影。「ゴールもしていない日陰の身だもん、ここで撮ろう」と日陰でポーズ!
皆さん明るくてお元気な方ばかりだったので、凹んでいる私もだんだん笑顔に。
なお道間違えコンビは、このふたりです。
お互い超不完全燃焼で「これから走りたいくらいだね」と話していましたが、ランシューズはスタート地点のトラバックの中。
コーラやオレンジなどをいただいてから、おとなしく帰る準備をしました。
このころ16時30分。上位の選手たちが続々とゴールしてきました。
皆生大会の同伴ゴールは和やかで、ほんとうに心温まります。
ボランティアスタッフの皆さんの応援も元気でフレンドリー。
本当に素敵なトライアスロンの祭典です。
ただし、その雰囲気をエンジョイできるのは、道を間違えても、信号で止められても制限時間内に走れるゆとりある選手のみ。
もともと制限時間ギリギリ予想の私には、焦ってばかりで胃がキリキリする時間の連続となりました。
ああ、私も力を出し切って、笑顔でここに戻ってきたかった。
どうしてあの時、止まってコースを確認しなかったのか。スマホをもっていればコースをすぐに確認できただろうか……と悔いの残るレースとなりました。
トランジションへ荷物をとりに
トライアスロン大会はゴールして終わりではありません。お次は、トランジションに荷物を取りに戻りました。
つわものどもが夢のあと……ですね。
私はバイクをピックアップする必要がなくトラバックのみでしたが、本来はバイクとトラバック×2を持ち出します。※盗難防止のため、レースナンバーの確認があります。
お腹に優しいメニューで疲れたカラダに栄養補給
宿に戻ったら、夕飯を作りました。
レース後、どんな体調か分からなかったので、暑さでいたんだ胃にも優しいよう、揖保乃糸の素麺と豚しゃぶとオクラのサラダの材料を用意しておきました。
どんなに疲れていても作れそうな簡単メニューにしましたが、レースの感想が「予想よりきつくも暑くもなく(昼過ぎで終わったから)、ただただ分かりづらかった」という私。
もっといろいろ作って宴会する準備でもしておけばよかった。
前日イオンで見つけて、皆生トライアスロン完走者「BRAVE」にちなんで買っておいたビールも、いただきました。
皆生トライアスロンとかけてIPAと解く。その心は…ほろ苦い味がします。
大会の個性を楽しむ「ゆとり」を持とう
皆生大会は、私がトライアスロンを続けてきて2度目のDNFとなりました。
それも1番の敗因が「コース看板の見落としとその後の右往左往」という残念な結果です。
昔、声をかけてくださった審判員さんの言葉を思い出しました。
スイムでパニックを起こして初めてDNFした村上国際トライアスロンで消沈する私に「長く続けていればDNFもありますよ。たくさんの大会に挑戦している証です」と励ましてくださったことです。
長いことトライアスロンを続けれていれば、楽しく終わらない大会も、中にはありますね。
それから、トライアスロンの大会の個性についても思いを巡らせました。
トライアスロン大会には、同じものがありません。コースはひとつひとつ異なり、その年によって天候も違います。
その与えられた環境下で、自分の力とスキルをフル動員するのがトライアスロンです。
それぞれの大会には「海がたいてい荒い」「全体的に易しいコース」「初心者に配慮した運営」とか「世界選手権併催で緊張感あり」「都会的で華やかで洗練されている」などなど個性があり、その個性がその大会の魅力を構成しています。
皆生大会は歴史が長くてリピーターが多く、老舗の看板で新規参加者に事欠かないこともあってか、全体的に手取り足取りではなく「自己責任で!」という雰囲気を感じる大会でした。※海外の大会はそうしたものが多いと聞いたことがあります。
会場に駐車場やトイレが少ないこと、トランジションの独特のセッティング、ロープのないスイム、複雑なバイクコース、灼熱のなか少なめの給水ポイント、地下道や歩道を使ったコース設定、信号ストップなど、初めて参加される方は、初めてのケースや分からないことが多く、戸惑いがちかと思います。
反面、こうした条件をうまく攻略する楽しみもあるのでしょうね。
そのためには、体力的にも精神的にも時間的にも「ゆとり」が必要。
私はまだその域にたどりつけておりませんでした…。
そこで、反省を踏まえてオススメしたいこと。
事前に過去の参戦記をチェックしたり、YouTubeなどでコース確認したりして準備し、できれば下見をする。
当日は時間にゆとりをもって行動し、おかしい?と感じたときには周囲の人に積極的に質問をするなど、念入りに確認して進みましょう。
私もこれを機に、バイクコースはできるかぎり把握に努め、サイクルコンピュータの使いこなし術やバイクの走り方、なによりどんな状況でも大会を楽しむ心の強さの習得など、いろいろな「ゆとり」を生み出せるよう精進いたします!
最後に、大会関係者のみなさま、選手・ボランティアのみなさま、暑い中、お疲れさまでした。本当にありがとうございます!
以上、皆生トライアスロン参戦レポートでした!
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