「ご親切にありがとう」がマイナスのブランディングにならないようご注意! 起業時の名刺やロゴ、ホームページのご相談



起業家の方から、たびたび伺うご相談。それは「起業したては大変でしょうから、格安(無料)でブランディングツールを作ります」と作ってくれたんですが……というケースです。

目次

すでにできていてびっくり!

起業家の方がおっしゃる「作ってくれたんですけど」なツールは、名刺、ホームページ、ロゴマーク、チラシ、その他。

お申し出があったときには、すでにデザインなどできているものを見せられるようです。

しかし、ヒアリングもなしに作られるため、しっくりこないものができる……それはそうですよね。

とはいえ、お相手は「格安(とか無料)でなので、ご遠慮なく!」「気に入ったら、お支払いください」という調子だそう。

人間関係がすでにあるお相手だと、断るのも気まずいし、親切からの申し出だろうし……と受け入れてしまわれる方もいるようです。

自分の欲しいものではないことも

それが、「ちょうどほしかった!」「助かりました!」ということであれば、問題ないのかもしれません。

しかし、私が拝見したケースだと、ド派手なキラキラした名刺(文章も的外れ)、「外国人が翻訳ソフトで作ったかAIに書いてもらった?」という不自然な日本語で記されたサイト、コンセプトとずれたロゴ、「安いからと頼んだまではよかったけれど、何度話してもちゃんとしたものができてこない」というホームページもありました。

使ったり公開するとかえって印象が悪くなるようないただきものツールに、「これは、どう言えば、使えるものになるでしょうか」と、相談されたことも何回かあります。

断るのは申し訳なくて、なんとか直そうとされたんでしょうね。

とりあえず使ってみてください営業?

実際にお話していないので推察ではありますが、こうした「親切な方」は、挨拶代わりに最初無料(格安)で制作し、その後あらたに必要になったツールも任せてもらおうという営業スタイルなのかもしれません。

あるいは「とりあえず使ってみて! よかったら次は買ってよ」と試供品を渡す感覚なのかもしれません。

本当に親切心からの場合もあることでしょう。

統一感と信頼感は生まれるか

試供品は、手元で使っておしまいのものなら、気に入らなければそれまでです。

しかし、ブランディングツールやコミュニケーションツールは、他人(あなたにとっての顧客候補)の目に留まることを覚えておきましょう。

ブランディングや情報発信の目的は、統一性のあるイメージや情報の発信で信頼を得るためです。

つまり、統一感あるイメージづくりを邪魔したり、信頼構築の妨げになったりするものは、いくらタダでも格安でも、世に出して人目に触れれば、マイナスの効果を生んでしまうため、注意が必要です。

作るならちゃんとしたものを

意にそぐわない試供品は、お断りするか、ちゃんと作っていただくよう要望しましょう。

そのためには費用がかかるかもしれませんが、「安物買いの銭失い」のほうがもったいないことです。

先に揚げたケースのなかには、私が間に入って制作指示をお出したり、コピーを作り直しさせていただいたこともありました。

最初から正式な依頼を受けてから、ヒアリングしてブランド戦略を確認し、それに基づいて作ればいいのに……と感じずにはいられません。

うっかり受け入れた「ご親切」がマイナス効果にならないよう、気を付けましょうね!

ちなみに、私は起業のお祝いには、お花か観葉植物をお贈りするようにしています(笑)。

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