【イタリア・モデナのフェラーリ博物館】
商品やサービスを企画・制作する際によく用いられる「コンセプト」。分かっているようで、分かりにくいこの言葉はどういう意味か。またコンセプトを言葉で説明する考え方についてご紹介します。
「コンセプト」は「大まかな内容と仕組み」
「コンセプト」は英語の「concept」。辞書的な意味は「概念「構想」といったものです。
では、概念とは何か。概念は「大まかな意味内容」を指します。「意味」とは「その言葉が示していること」、「内容」とは「あるものの中身や事柄」を指します。
「構想」は「あることを成り立たせるための骨組みやその考え」です。
つまり、「商品・サービスのコンセプト」といったときの「コンセプト」は、「その商品・サービスの大まかな内容、それを実行する仕組み」ということになりますね。
この「大まかな内容」は、商品・サービスの「価値」を概念的に表現することになります。
抽象的なので、端的な言葉で表現するのに手こずるのがこちらです。
「実行する仕組み」はその商品やお店などの業態など、具体的なものでOK。
考えにくいときは、「『こんな状態・属性』のお客さまが、『こんなふうによくなる』商品・サービス」と考えてみると、イメージしやすいと思います。
例えば「ブランドコンセプト」は、そのブランドが顧客に提供する価値を言葉にしたもの。
「事業コンセプト」といえば、「どんな顧客にどんな価値をどうやって提供するか」をまとめた構想です。
これがキラリと光ると、顧客に注目され、選ばれる商品・サービスができる…ということです。
有名なコンセプトの例に、スターバックスの「家でも職場でもない『サードプレイス(第三の場所)』」があります。
スターバックスが売っているのは「コーヒー」でも「フラペチーノ」でもなく、実は「第三の場所で過ごす経験」ということですね。
コンセプトを決めるメリット
ここで質問です。あなたは自分の商品・サービスのコンセプトをスっと言うことができますか。
すでに起業されている人でも、明確にしっくりくるコンセプトを言葉にできない……という方は、珍しくありません。
当人の好みやセンスがよくて、それに基づいていろんなことを決めていると、それでなんとかなる場合も多いからです。
ただし、自分のやっていることを尋ねられてうまく言えないと、自信も持ちにくいものです。
また、商品・サービスを具体的に企画するときは、コンセプトが拠り所とるため、言葉にして関係者の共通認識としている方が、ぶれない企画をつくりやすくなります。
さらに、ショップなどのデザインやインテリア、雑貨類を決めたり、広告や広報活動を行うときも、「ターゲットに好まれるデザインコンセプト」に沿って決めるとブレなくなります。
コンセプトがあることで、「自分らしさ」や「個性」がはっきりと表現されて、差別化につなげやすいということですね。
コンセプトがいまいちはっきりしない……という方は、これを機会に考えてみてはいかがでしょうか。
コンセプトをつくるヒント
次に、コンセプトを考えるときに、決めておきたいことを挙げます。
- 顧客像……どんな人にむけた商品・サービスか。その人たちは何に困り、何を望んでいるのか。
- 提供する価値……顧客にどんな幸せを提供するか。
- 顧客に価値をどのような仕組で提供するか……企業、お店、個人サービス(コーチ、コンサル、士業)、サロン、イベント等
- 競合との差別化……同じような価値提供、商品・サービス内容の競合との違いを出す。独自性を打ち出します。
なお、差別化のつもりが、そもそもニーズのないことをやってしまわないように、その商品・サービスの需要があるかなど、リサーチすることも大切です。
このように考えていくと、コンセプトがまとまりやすくなります。
コンセプトの先の「目的」は何か
さらに考えておきたいのは「コンセプト」の前提として、その先の叶えたい「目的」です。
ある目的を叶えるために、あるコンセプトをもった商品・サービスが生まれる……はずです。
ここでいう目的には、2つの目的があります。
- 顧客の目的…顧客の夢・希望を叶える
- 事業者の目的…事業主が叶えたい夢を実現する
このとき事業者の目的も忘れないようにしましょう。
事業主の夢が「毎年1回は2週間の海外旅行に出かけたい」だったら、それだけの役員報酬が出るビジネスモデルを作る必要がありますし、2週間の休暇をとれる仕事のやり方を考える必要があり、それを踏まえた事業コンセプトや組織づくりなどを考えたいところです。
ほかにも、「子供と毎日夕飯を一緒に食べたい」という目的で、夜まで営業しているのが一般的な業界で「平日・昼間だけ営業のお店」をつくられたお客様もいらっしゃいました。
このお店では、メインの顧客像は昼間にお店に来ることができる客層で、その方たちのニーズに合うサービスや心地よい空間づくりをしておられます。
事業者の目的と顧客の目的が両方叶うように考えると、双方にとって幸せな商品・サービスが生まれますね!
かっこいいコピーにするのはあと
コンセプトを考えるとき、ついついやりがちなのが、キャッチコピーのようなかっこいい表現で考えてしまうことです。
コンセプトの段階では、横文字やぼんやりとしたかっこいい表現は不要です。
外向きに発表する段階ではキャッチ―なコピーになるよう、強い表現、かっこいい表現なるよう練り直すことはありますが、それはあくまでも表現技法的な部分です。
「コンセプト」は短めシンプルに、関係者みんなが簡単に理解できる表現としましょう。
コンセプトを表現するブランディング
コンセプトができたら、さまざまな事柄がコンセプトに沿って決められます。
コピー、ホームページ、SNSの発信、紙媒体、店舗の場所や内装、商品・サービスの内容や金額などなど。商品・サービスの企画やブランディング(見せ方)も進めやすくなります!


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