「お客さまのために」「家族のために」「社員やチームのために」。誰かの期待に応えようと、つい自分のことはあと回しになってはいませんか?
フリーランスや小さな会社を率いる経営者にとって、自分を犠牲にしてでも誰かの役に立とうとする姿勢は、美徳のようにも見えます。ですが、その習慣が疲れや体調不良、メンタル不調、人間関係の悪化へとつながりかねないことも忘れてはいけません。
私たちが最初に守るべきは「自分自身」。自分が満たされ、整っているからこそ、誰かの力になり続けることができるのです。
自己犠牲が美徳?
日本には「他者のために、尽くすことが美徳」という価値観が根強くあります。
親が子のために、妻が夫のために、先生が生徒のために、社員が会社のために……。
誰かのために一生懸命尽くす姿勢は確かに尊いものですが、その「誰かのため」が「自分を犠牲にすること」とイコールになってはいませんか。
・忙しすぎて、運動ところか、食事も睡眠もおろそか
・無理な仕事も「断ったら次がないかも」と、断れずに引き受けてしまう
・自分の時間はいつも後回しで自分ケアができない
・「自分の感情」よりも「他人の期待」を優先してしまう
……そんなことを続けていると、多くの人は心も身体もすり減っていくことでしょう。
起業家やフリーランス、小さな会社の経営者らを見ていると、こうした状況にある人は珍しくありません。
ビジネスを軌道に乗せるまでなど、一時は無理することも必要かもしれません。しかし、自分を大切にしないまま、他人を優先し続けることの弊害も認識しておくことが必要です。
自分で自分を尊重しよう
自己犠牲までして、他者を優先してしまうのは、なぜでしょうか。
そこには「自尊感情」が関係していると思います。
「自尊感情」とは、「自分には価値がある」「大切に扱われる存在である」と、自分自身を尊重する感覚のことです。
この感覚がないと、私たちは他人の評価に一喜一憂したり、評価されようと過剰に頑張りすぎたりしがちです。
「もっと認められなければ」「もっと役に立たなければ」自分は評価されない、愛されないという思いから、自分の本音や限界を無視するようになってしまいます。
本音や限界を無視せず、自分の気持ちよさや思いを優先することが、いわゆる「自分を大切にする」ということですね。
自分を大切にできていない人は、無意識のうちに他人にも厳しくなってしまう傾向があります。
「自分は我慢しているのだから、あなたも我慢すべきだ」「自分はこんなに努力しているのだから、あなたも同じだけ頑張るべきだ」といったように、自分自身に課している厳しい基準や制限を、他人も「やって当たり前なのに……」と不満を感じてしまうからです。
その結果、周囲との人間関係が苦しいものになりがちです。
反対に、自分の価値を認めて自分を大切にしている人は、他人の弱さや過ちにも寛容になれます。自分に優しくできている人は、他人にも優しい方が多いと思いませんか。
優先順位を見直すという勇気
そうはいっても、取引先や顧客に評価されてこそというビジネスの場で、どうやったら仕事に邁進するフリーランスや経営者らも、自分を大切にしながらビジネスを発展させていくことができるのでしょうか。
そのヒントは「幸せのコップ理論」だと思います。
そう、自分の幸せのコップが満たされてから周囲を幸せにできるという考え方です。
具体的には、「自分→家族→友人→会社の仲間→お客さま」という優先順位をお勧めしています。
すると「自分が頑張らないと」とか「顧客を後回しにしたら、もう仕事を頼まれなくなる」とか「家族には我慢させる」といった反応が返ってきます。
しかし、自分が心身を削り続けて、心身の病に陥ったら? 自己犠牲しないと発注を打ち切るような客先と長く付き合えますか? 家族は将来、あなたにそっぽを向くかもしれませんよ。本当にそれでいいんですか?
つまり、幸せでありたいなら「自分や家族など大事な人を犠牲にしない関わり方、働き方をしよう」というご提案です。
まずは、自分の心身を整えること。自分に優しくすること。自分の感情や欲求を、自分自身が尊重することです。
飛行機の酸素マスクもそうですよね。「まず自分につけてから子ども」の順は、まず自分を守らないと他者を守ることはできないということ。
自分を尊重することが結果的に、家族や友人、職場の仲間、顧客に対しても、よりよい関わりを生み出していくことでしょう。
職場で、経営者が「自分を大切にする」メリット
職場で自分を尊重するのは、わかっていても難しいこともあるのは私もわかります。
しかし、取引先の顔色ばかり気にして、自分の体調を無視して働いていたら、いずれダウンしてしまいます。
また、自分の意見を抑えて言われた通りに動くばかりだと、周囲から「何を考えているのか分からない」と困惑されるかもしれません。
一方で、自分の限界を理解し、必要なときには断ったり、スケジュール調整したり、助けを求めたりできる人が、信頼されることが多いと思いませんか。
これはその人が「自分の意見を持ち、仕事を管理し、責任を持つことができる主体的な人」と認識されるからです。
また、スタッフを雇うようになれば、経営者が「自分を大切にする」という姿勢を率先して示すことが、部下やチームメンバーの健康や働きやすさにも直結します。
私も、前職では社長や役員が趣味の活動や通院などで早退する姿に、保育園からの発熱の呼び出しにも帰りやすくなったものです。
「無理しない働き方」を体現するリーダーがいる職場では、メンバーも無理せず安心して主体的に働くことができるため、生産性も上がりますよ!
自分を大切にすることが、仕事や人生を好転させる
私たちは「仕事のため」とか「誰かのため」とか言い出して、自分を見失いがちです。
でも、本当に誰かのためによい仕事をしたいなら、まず自分を大切にしてこそであることを意識したいもの。
なぜなら、自分を蔑ろにしていると、心身が辛かったり、万全の体制でないまま仕事をした結果、こなすだけになったり、仕事の質も落ちがちだから。他人にもイライラをぶつけることにもなりがちだからです(モラハラ注意)。
例えば私は、独立してしばらく、「仕事を断ったら次がないかもしれない」と原稿執筆をすべて言い値で引き受けていたことがありましたが、「ひとりブラック企業」状態に陥り、原稿料を上げて受注量を調整することにしました。
これまで受けていた仕事をお断りすることになり、勇気は必要でした。
しかし、経験の浅い原稿料低めのライターのチャンスにもなると考えましたし、それで原稿が回れば発注元も助かります。
私が眠い目をこすりながら書くよりもよい原稿ができるだろうし……などなど、「自分勝手」ではなく「誠実」に考えた結果の選択でした。
その後は、かえってご指名のご依頼が増え、原稿料も上がり、働く時間が短くなったので、あの判断は間違っていなかったと、振り返って感じています。
他人に優しくするように、自分に優しくしよう
「こうあるべき」「こうしなければ」といった思い込みに縛られて、自分を追い込んでいませんか。
しかし、経営者やフリーランスは、理想の働き方も、理想の職場環境も、理想の顧客も、自分でつくる自由を本来もっています。
同時に、すべてを自分で背負う立場でもあり、自分へのまなざしは厳しくなりがちです。しかし、「そのセリフ、他人にいう??」というような厳しい言葉や要求を自分にぶつける必要はないのです。
少し立ち止まって「それってホントに必要?」と問いかけることで、思い込みから自由になれるのではないでしょうか。そうすると、案外たくさんの「できること」が見えてくることでしょう。
まず、自分を尊重して、自分を整えることが土台になります。
- 疲れているときは、しっかり休む
- 無理なことには、勇気をもって「NO」と言う
- 小さな楽しみや癒しの時間を確保する
自分に優しく自分を大切にすることで心身が整えば、頭もさえてよい判断ができることでしょう。同じ時間でこなせる仕事も増えて、生産性も上がります。
また、情緒が安定して、人間関係もよくなるに違いありません。
というわけで、まずはあなた自身が、自分の気持ちや心地よさを尊重しましょう。それが、ビジネスをうまく回し、プライベートも充実し、よい人間関係に囲まれる幸せな状況につながります!
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