9月から不登校することにしたお子さんの親御さんへ。子供2人が不登校だった私の考え方・見守り方

【適応指導教室(教育支援センター)の掲示物】

夏休み明けの「9月1日」は子どもの自殺が1年で最も多い日で、この日から「不登校」となる子も多いそうです。かつて、我が家の次女(現在、高1)も、中1の9月から学校に通わなくなりました。そんなとき、母であり私が、どう考えて心情的に乗り越えたのかご紹介します。今お辛い親御さんの参考になれば幸いです。

目次

「9月1日問題」とは

「9月1日問題」がクローズアップされたのは2015年のことです。
内閣府が、1972年から2013年の42年間について18歳以下の子供が自殺した日を調査した結果、9月1日の自殺者数が131人で突出して多かったのです。

内閣府のサイトには以下のようにありました。

18歳以下の自殺者において、過去約40年間の日別自殺者数をみると、夏休み明けの9月1日に最も自殺者数が多くなっているほか、春休みやゴールデンウィーク等の連休等、学校の長期休業明け直後に自殺者が増える傾向があることがわかる。

学校の長期休業の休み明けの直後は、児童生徒にとって生活環境等が大きくかわる契機になりやすく、大きなプレッシャーや精神的動揺が生じやすいと考えられる。

我が家の娘たちも長期休暇後に不登校

我が家では、長女が中学校1年生のゴールデンウィーク明けから、次女が中1の夏休み明けから、学校に行かないといいました。

「いじめ」のような、はっきりとしたわかりやすい理由があったわけではありません。

しかし、当時の娘たちにとって学校は、そこにいるだけで苦しくて仕方がない場所になっていました。

なお、その後の長女と次女の状況は以下の通りです。

長女・次女とも不登校中は、市内の適応指導教室(教育支援センター)に通いました。

長女は中学校2年生の4月から登校を再開。現在は高校3年生になり、大学受験目指して勉強中です。

次女は中学3年生の4月から登校を再開しましたが、冬休み明けには学校に通わず高校受験を目指すことに決めました。現在は高校1年生で、毎日元気に通学しています。

初めての不登校だった長女の時は、私自身が「自分の関わり方が悪かったのではないか」「家庭環境のせいではないだろうか」と非常に悩みました。

しかし、次女の時は「不登校」に対する親としての考え方を確立しており、比較的、落ち着いて対応することができました。

今回は、娘たちが学校に行かない間、私が不登校をどんなふうに捉えていたかをご紹介します。

どうせ幸せになれるから大丈夫

私が、不登校になった2人によく行っていたのが、この言葉です。

「中学も高校も、ただの通過点。『みんな』と同じ場所を通らなくても、その先に自分が幸せを感じられる状況があるなら問題ない」 と話していました。

というのは、私自身が40代半ばになり、周囲の人達を長期的に見てきたなか、中学・高校で活躍したり偏差値が高かったりすることと、大人になってうまくやっているか、幸せそうかどうかは、あまり関連していないと感じているからです。

高校が別々でも同じ大学に通うこともあれば、職場の仲間の学歴・出身校だってバラバラです。

高学歴で貧乏な人もいれば、中卒のお金持ちもいます。高学歴・高収入で家庭が破綻した人がいれば、学歴やお金がなくてもニコニコしている人もいます。

今学校に行っていなかったからといって、将来、経済的に貧窮したり、不幸せになったりするかどうかは、誰にも分かりません。

日本の教育システムが最適か

「学校に行けない」原因が、子供ではなく、日本のシステムの側にある可能性もあります。

例えば、私が以前視察したデンマークでは、学校での学習が一方的に先生の話を聞くのではなく、アクティブラーニングと呼ばれる学習が一般的です。

義務教育9年間の国民学校は、学習が十分にできなかったと感じる生徒が卒業せずに、1年延長で学校に残るシステムがあります。

また、多くの生徒は卒業後に「ギャップ・イヤー」と呼ばれる自由な時間を過ごし、アルバイトをしたり、好きなことを学んだりします。

皆が高校に進むわけでもなく、10年生やギャップ・イヤーがあるので、高校1年生の年齢もバラバラです。

学校に通うだけでなく家庭で勉強する事も学習と認められるため、「不登校」という状態はあっても「不登校問題」はありません。

こうした教育システムなら、集団で同じことをするのが苦手な子やも、黙って座って話を聞いてられないような子も、学校に辛さを感じにくいのではないのでしょうか。辛かったら家で勉強しますし。

デンマークスタイルなら合うというお子さんもいることでしょう。

つまり、お子さんが悪いわけではなくて、環境が合わなかっただけとも考えられます。

学校の選択肢が多い東京に住む知人は、日本の義務教育を非常に低く評価。「日本の小中学校に通わせるのは虐待だ」と言い、インターナショナルスクールにお子さんを通わせることにしました。

留学斡旋をしている友人は、日本の富裕層は日本の教育に危機感持っていて、シンガポールなどに子供を留学させる人が多いと言っていました。

こうした見方もあることを知ると、学校に通いたくないと言った子供の判断が、案外鋭い指摘なのではないかと考えさせられます。

学校・先生とも相性がある

子供の相性は、学校の特色や方針、担任や部活動の先生ともあります。

現在、中学校1年生の三女は、長女次女と同じ学校に通っています。

環境面での長女次女との違いは、担任の先生も部活動の先生も経験豊かな方であること。

そのこともあってか、現在のところ不登校の兆しはまったく見えません。

民間企業の営業マンなどなら、相性が合わなければ「担当を変えてください」と言えますが、「担任の先生を変えてください」とは普通はなかなか言えません。

お子さんが悪いわけではなく、単に相性が悪いとか、先生が人間的に未熟だったり(若ければ当然ですしね)、経験不足でケアしきれない(これは先輩の先生にフォローしてほしい)だけなかもしれません。

学歴社会を外れても生きる道はある

学校に行かなくなった我が子を心配する親御さんには、「学校に行かなかったら、この子は就職もできない。もうおしまい」といった危機感があるかもしれません。

しかしそれは本当でしょうか。

大学進学が必須の職業は、教師や医者、弁護士など意外に少ないのものです。

学歴がないと入れない就職先というのは、役所や大手企業を中心に確かにありますが、働く場所は役所と大手企業のほかにもたくさんあります。

さらに、学歴が必要な仕事につきたくなったら、そのときに高卒認定や大学受験資格をとるという手もあります。

また、現在のような情報化社会では、ITを活用して会社に雇われずにお金を稼ぐことも以前に比べ容易になりました。就職ではなく、投資で収入を得ている人もいます。

例えば、富山県在住の投資家・吉川英一さん。

射水市出身で高卒、工場勤務を経て、不動産投資でセミリタイアされた「ふんどし王子(もちろんペンネーム)」さん。

富山在住のお二人とは直接お話する機会もあり、我が家の娘たちに温かいエールをいただきました。

娘たちとは、「このまま学校にいきたくなくて就職もなかったら、弟子入りして個人投資家を目指せばいいんじゃない?」となどとも、話していました。

それも簡単な道ではないことはもちろん承知しています。

ただ、「みんな」が歩いている道以外にも、まだ他に道があると知るだけでも、気がラクになるものです。

いろんな大人や価値観と触れる

子供達の世界は通常、家と学校あるいは習い事や塾くらいのものです。

その小さな世界の中で、「学校には絶対通うもの」という価値観にがんじがらめになっていると、学校に行きたくなくなってしまった自分がすごく悪くて、価値のないように感じられます。

だから、「学校に行かない」の次が、「死」という選択肢につながってしまうのでしょう。

しかし、学校は命をかけて行くほどの場所か、という視点をもちたいもの。

家と学校と塾以外には、広い世界が存在し、様々な価値観があり、面白い人がたくさんいます。

「今、不登校なんです」と長女を紹介した時に「あら素敵♡ アメリカのお金持ちのホームエデュケーションみたい!」と満面の笑みでこたえてくださった方がいました。

次女が中学校でアニメやイラストについて語れる仲間がいなかったとき、 一緒に絵をかきアドバイスくださったプロの漫画家やイラストレーターさん。

「日本が大変だったら、デンマークにおいで」といってくださった方や「日本の学校がイヤなら、フランスに来てうちに下宿すればいいよ」と言ってくれた方もいます。

そういったさりげない関わりが、娘たちの視野を広げ、自信をつけてくれました。ほんとうにありがとうごさいます。

こんなふう過ごしているうち、娘たちは「自分は、これでいいんだ」と感じられるようなりました。

自分の進むべき道を自分で考え、意思表示できるようになっていきました。

******

この9月から不登校生活が始まったご家庭は不安も多いことと思います。

お子さんも、「行きたくない」と口に出すのに勇気が必要で、精神的にお疲れになったことでしょう。

まずは、お子さんの判断を尊重し、親は「行ってもいかなくても大丈夫」「なんとかなるよ」くらいに構えてはいかがでしょうか。実際、きっとなんとかなります。

ひと休みしたお子さんのエネルギータンクに、エネルギーが貯まるのを見守りましょう。

大変だと思いますが、応援しています。

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