「不登校はお母さんのせいじゃない」「不登校は悪いことじゃない」娘ふたりの事例から言えること

【適応指導教室の入り口】

我が家の娘たちは不登校を経験しています。初めは「私のせいだ」と深刻に考えて落ち込んでいました。しかし、今では不登校を「悪い問題」とは捉えていません。

目次

我が家の不登校事例

まずは、本人たちの許可を得て、我が家の不登校の概要を紹介します。

長女のケース

不登校時期

中学校1年生の5月から3月まで

きっかけ

  • いじめや嫌がらせなど、はっきりとした理由はない
  • 部活の課題や授業の宿題が長女にとっては多く、全部やろうとすると寝る時間がないと悩んでいた
  • 担任の先生は新卒で、娘の目に頼りなく映り、相談できなかった

休んだ間の過ごし方

  1. 自宅で静養。
  2. その後、「居場所が必要」とのアドバイスを受け、「不登校児の居場所」を標榜する施設をいくつか見学するも合うとは感じられず。
  3. さらに「母親以外に腹を割って話せる人がいるとよいのでは」と、メンタルクリニックでカウンセリングを受ける。その前提として、精神科医の診察を受けるも、毎回、一方的な説教を受けていたことが判明。カウンセラーも「オウム返し」などのテクニックを表面的に使うだけだった。長女いわく「あそこが1番ひどかった」。
  4. 市の適応指導教室(この名称もどうかと思う)に通う。ここで「腹を割って話せる」熱い先生や温かい先生に出会う。

次女のケース

不登校時期

中学1年の9月から2年の3月まで。中学3年1月から不登校を再開。

きっかけ

  • いじめや嫌がらせなど、はっきりとした理由はない。
  • 部活動の指導が合わなくて、部活動を止めたくなった(この中学は、全員が強制部活動参加の方針をとっている)。
  • クラスの雰囲気に馴染めない違和感を持っていた
  • 担任の先生は2年目で不登校対応は初めて。会話したことがほとんどなく、相談できる関係ではなかった。

休んだ間の過ごし方

市の適応指導教室に通い、信頼できる先生方に出会う。

無責任「評論家」を気にするな

長女が中学に入学したばかりの5月に不登校になったとき、私は「まさか、うちの娘が!」と大大大ショックでした。

長女は小学校では、学級代表や学校選抜のスポーツ大会に参加したりと、活発で友達も多かったからなおさらです。

それが今では布団から出られず、お腹が痛いと毎日泣いています。

「なにが悪かった????」と自問の日々でした。

周りの人に話すと、いろんな反応がありました。そのなかで私をさらに落ち込ませたのは、こんな反応でした。

「お母さんが働いていてて寂しかったのね」

「お母さんがかまってくれないから、わがまま言って甘えたいのよ」

「林原さんみたいに気が強いママだと、お子さんも我慢していたことが溜まっていたんじゃない?」

……当時、育児情報誌の編集長だった私は

「自分の子供が不登校で泣いている私に、ひとさまに育児情報を提供する資格があるのだろうか」

と落ち込みました。

その後、適応指導教室に通うようになり、先生方から

「不登校児の母親には自分を責めたり、悩みすぎたりして、鬱病を患う人もいる」

と伺いました。私も、その一歩手前だったと思います。

専門家でもないのに勝手な評論して、悩んでいる母親をさらに傷つけるのは止めましょう。

また、無責任な評論家のいうことは、無視してまったく差し支えありません。気にせずいきましょう。

私を開眼させた情報

ヘコみきっていた私が、不登校を「もっと気楽に」と考えるようになるまでに得た情報や考えかたをご紹介します。

「ぼーっと通学している子」は偉いか

友人のお子さんは、中学生です。

毎日、学校に行ってはいるものの前を向いて座っているだけとのこと。勉強も全くついていけていないらしい。娘が不登校であることを話したら

「違和感を自覚して、行きたくないって言えるって偉いよ」

と褒められました。学校に行っている子の親御さんにも、また別の悩みがありますね。

世界では「不登校」は「問題」ではない

長女が不登校中、アメリカでの生活経験がある女性と出会ったときのこと。

「うちの子、学校に行ってないんです」

と伝えたら、満面の笑顔で

「あら、素敵! ホームエデュケーション(home education)ですね。アメリカのお金持ちみたい!」

長女が「えっ?」と顔を上げたのが分かりました。

世界には、「ホームエデュケーション(home education)」とか「ホームスクーリング(homeschooling)」という選択肢があります。

自宅で勉強するスタイルも「アリ」なのです。

自分のペースで進むのが「ふつう」の国もある

デンマークでは、中学3年で「高校はまだ早い」と感じたら、もう1年間、3年生でいることができます。その間に、自分を見つめたり、将来に思いを馳せたりします。

高校と大学の間や大学と大学院の間でも、いわゆる「ギャップイヤー」をとって、いろいろ体験したり、考えたりして、自分のペースで次のステージに進みます。

同じ年に生まれたというだけの理由で、横並びに生きる必要はありません。

学校は質の高い場か

我が家の娘をめぐる学校とのやり取りでは、「娘も失望して当然だ…」「これは人災だわ…」と呆れることもありました。

不登校は、子供が進学等の変化に適応できないことが指摘されがちですが、その学校の質やレベルが低く子供から見限られた可能性だってあります。

これが就職なら転職もできますが、中学はとくに田舎ではその学校1択しかないことも多い。

単にその学校が合わないだけで、小規模校とか、シュタイナー教育みたいな特徴ある方針とか、私服校とか、相撲体操がないとか、部活が強制じゃないとか、別の選択肢があれば通学していたかもしれません。

「あえて行かせない」親もいる

東京の知人が次女と会ったときのことです。彼女は従業員を何人も抱え、専門性の高い業種の会社を経営しています。

次女が学校に行っていないことを伝えると、

「りかさん、偉い! 私も行かせないつもりなの。日本の義務教育がダメだって分かってるのに行かせるって、虐待だと思う」

彼女は海外の教育事情なども視察して検討し、お子さんをインド系のインターナショナルスクールに通わせることにしたそうです。数学とプログラミング、英語を強化する予定だとか。

留学斡旋をしている友人によると、富裕層には「日本の教育ではちょっと……」と、シンガポールなど海外で学ばせようという親が増えているとか。

国のカリキュラムに問題はないか?という視点もあって当然です。日本の義務教育を「質が低い」という理由で、選ばない人もいます。

母親は子供にマイナスの影響を与えて当然?

とある心理カウンセラーさんから教わったことです。

多くの人の価値観は、母親からマイナスの影響を受けるそう。それは、悪い母だからではなく、子供はそういうものなんだそうな。

勝手に解釈して勝手に影響を受けるため、母親が悪影響を与えないよう自覚しても避けられないと伺いました。

そういうものなら、たとえ私が悪影響を与えたのだとしても、まあ仕方ないか、そんなものよと気がラクになりました。

道はいくつもある

私は学校が好きだったので、「みんな」と一緒に学ぶメリットや楽しさも、よく理解しています。

でも、世界的には横並びが常識ではありません。日本でも大人になったら年齢による横並びではなくなります。

大人は集団行動が嫌いでも、他人の決めたことに合わせるのがイヤでも、ある程度許されています。

今では私も、子供だというだけで「イヤ」ということが許されないことに、違和感をおぼえるようになりました。

大卒でないと取れない資格やなれない仕事は、実はそんなに多くはありません。

また、あとから学校に行きたくなれば、通信制の高校や大学、社会人入学などいろんな道があります。

「みんな」と一緒でない選択は、苦労もあると思います。その分、そこから得るもの、学ぶものも多いのではないでしょうか。

不登校を経験した立派な大人は案外いる

私を励ましてくださった方もいらっしゃいました。

「私の知っている●●さんは不登校だった。今は〇〇(世界的企業など)で活躍している」

といった類のお話をたくさん教えていただきました。

子供の人生を応援するだけ

私は子供の人生に対して、母親がヤキモキ悩んでも仕方がないことに気づきました。

子供の人生を応援できますが、代走はできません。

そこで、みっつのことを意識することにしました。

ひとつめは、娘のパワータンクに力を貯めること。

「私は100%あなたの味方」

「学校に行っても行かなくても、あなたは私の誇り」

と言葉と態度で示しています。

ふたつめは、大人として必要な教養はつけさせること。

学校の勉強を教えるだけでなく、いろんな場や人に触れて多様な価値観を感じさせたり、外国や東京などにでかけて見聞を広げたり、美術館や映画、舞台、講演会などに触れて感動する機会を作ったりしています。

みっつめは、栄養ある美味しいご飯で健康な身体を作ること。

健康な身体は、人生の何よりの資本です。この先、どこでどんな生き方をするとしても、子供たちを助けてくれるでしょう。

娘たちの通学再開と現在

私がこんなふうにゆったり構えるようになったところ、娘たちはそれぞれ自分で考え、どうするか決めていきました。

今は自分のやりたいこと、好きなことを自覚し、将来に向かって学んでいます。

今後もどうなるかはわかりませんが、「どっちにしても大丈夫」をモットーに応援していきます。

学校に戻るきっかけ

長女

  • 全日制普通科の高校に通いたいという希望が、もともと強かった。
  • 中学の先生と適応指導教室の先生が連携し、2年進学時に「2年の4月からいってみよう」という雰囲気づくりをされ、本人もその気になった。

次女

  • 高校進学を希望していたため、3年は通学すべきだと考えていた。
  • 適応指導教室の先生と、2・3年の担任の先生の両方を信頼していた。
  • 「辛ければ、適応指導教室に戻っても大丈夫」と両方の先生が安心させてくれた。

現在の様子

長女

2年、3年と登校し、希望の高校に進学。大学受験を目指す高校2年生。

次女

3年の4月から登校を再開したが教室の雰囲気が合わないと感じ、適応指導教室での学習を希望。1月から適応指導教室に再度通い、志望校への受験に備える。

不登校児とその母への偏見をなくしたい

先日、ある犯罪を報じるニュースでアナウンサーが

「犯人は以前、不登校でした」

と原稿を読み上げました。

どういう意図なのでしょう??

「学校に通わなかった人は、犯罪を犯す傾向があるから要注意」

それとも

「学校に通わなかった人は、犯罪も当然ですね」

????

長女と次女も

「私らも、なんかあったら『元不登校』って言われるの?」

「なんだか罪人みたい」

と違和感を持っていました。偏見では?と感じた出来事です。

また「不登校=母親が悪い」という風潮があると知ったときも、娘たちは

「まさか! お母さんのせいなんて」

と驚いていました。

とくに次女は

「私も、適応教室の友達も、お母さんのせいじゃない。お母さん、私のこと書いていいから『お母さんはぜんぜん悪くない』って本を出したらいいよ」

と言ったくらいです。そんなわけで、この記事を書くのを応援してくれています。

不登校児とその母親へのネガティブなイメージを変えていけたらいいなあと思っています。

あなたが子供の不登校に対して苦しい思いを抱えているお母さんなら、なにか参考になる部分があれば幸いです。

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