3月後半から4月の始めにかけて、卒業式と入学式というフォーマルな場に着物で参列しました。これまでは着付けを頼んでいましたが、今回は自分で着物を着て参列できました。
フォーマル着物は着付けてもらうもの?
後輩の結婚式で着る服に迷う
子供たちが大きくなってきて、着物への関心が高まってきたのは、思い返すと2013年。後輩の結婚式に参列するとき、「何を着ていけばいいか…」と迷ったときでした。
フォーマルなドレスなんて、滅多に着ないのに同じのばかり着てると写真などで分かるし、流行がよく分からないし、靴やアクセサリーなどを買い揃えるのもなんだかな…と考えていたところに、
「じゃあ、お母さんの着物を借りたらいいんじゃない?」と閃いたことでした。
ちなみに、私は結婚するときに着物を作っていません。姉たちも知人も、作っても着ていないことをしっていたので、無駄だと考えたからです。
母の着物は少し小さいのですが、着れないこともない。そこで、着付けの先生をしている伯母に頼んで着せてもらいました。
このとき、後輩にとても喜んでもらえたのと、フォーマルな場には洋服よりも着物のほうがしっくりくるなあと感じたことで、「いつかは着物をもっと着たい」と考えるようになりました。
小振袖だけどまあいいっか
次は翌年2014年、長女の入学式です。
今回も着物の準備は母に、着付けは伯母に頼み、私は着せられて行くだけです。
伯母が着て、着物を広げ「あら?」。
その着物は訪問着ではなく「小振袖」。袖丈が2尺~2尺3寸(約74~85cm)前後の振袖です。振袖は未婚女性の正装ですから、私が着るのはほんとうはちょっとマズイ。
でも、この色は気に入っていたのと、ほかに服も用意していなかったので、このまま行くことにしました。
キレイに着付けしてもらい大満足。ですが、「ママが入学式なのに未成年用の服」ということで、ちょっとビクビク。
でも、綺麗で柔らかな着物を着て背筋が伸びる感覚は、とても清々しいものがありました。
こんな感じで、フォーマルな場での着物は、私にとって「着せてもらう」ものでした。
中学校の卒業式は一つ紋の無地
今年は三女が小学校→中学校、次女が中学校→高校に進学します。
昨年末から着付けを習い、カジュアル着物に親しむようになってから、初めての式典です。
小学校の卒業式は、カメラマンになってほしいと言う三女の要望で、洋服で出席。
さほど活動の必要ない次女の卒業式では、一つ紋の色無地を着ることにしました。
多分、祖母のものです。
帯は白地に金のラメが入った袋帯です。二重太鼓の練習をして臨みました。
卒業式らしく落ち着いた感じになったでしょうか。
入学式は訪問着と羽織で
入学式では、卒業式とは異なり華やかな訪問着にしてみました。
入学式の羽織といえば、黒いものが一般的のようですね。
この羽織は、ピンクのグラデーションに銀の流水文が入った華やかなもの。
こういった羽織は最近はあまり見られないもののようで、着るべき場所がわかりません。
着付けの先生にお尋ねしたところ、フォーマルの場にコートのような感覚で着て行き、室内では脱ぐなどしても良いのではとのこと。
入学式が行われた朝はまだ風が冷たかったため、この羽織を使ってみることにしました。
一方、午後から行われた次女の高校の入学式では、暖かくなってきたので、羽織を脱いでみました。
朝からずっと着物で過ごすは、着崩れが心配でしたが、お手洗いのたびにちょこちょこ直していると、気になるほどの崩れなく1日過ごすことができました。
着物で参列して気づいたこと
中学でも高校でも、着物を着ている方は5人から10人程度だったと思います。着物はやっぱり少数派です。
フォーマルの場で着物を着ないということは、おそらくカジュアルな場でも来ない。ということは、「着物は着ない」ということなのでしょう。
それも、結婚する時に着物を作った人でさえ、タンスに眠らせておくことが多いようです。
すごくもったいないと思います。
「伝統文化の継承していくべき」とか、そういう難しいことではありません。
着物はとても綺麗で、エレガントな衣服です。普段着よりも上質です。綺麗でエレガントで上質な服を着れば、心が浮き立ちます。
洋服では絶対着ないような 「柄on柄on柄」もアリ、ピンクもキラキラもお花もアリです。着物と帯の色や柄、小物との組み合わせは奥深く、考える楽しみもあります。
こんなステキな服を持っているのに着ないのが、もったいないと思ういます。
かくいう私の着物も、全て家に眠っていたものです。
小さいお子さんがいるなど活動的であることが服選びの第一条件の時期や状況なら、着物は「選んだり着たりするのが面倒で汚すと大変な効果な服」です。
でも、それが一段落したら、セレモニーのときくらい、「着物(綺麗でエレガントで上質な服)」を楽しむ程度に心と時間のゆとりがあってもいいのではないでしょうか。
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