2018年3月に、3人の娘と訪れたイタリアの地。イタリア2日目となる3月3日は、日帰りでポンペイ遺跡を見にでかけました。ポンペイではまたも!騙されそうになりました。16年前もポンペイ遺跡では怖い目に遭いました。海外旅行では、よくよく注意しましょう。
【ポンペイの街なかから遺跡へ向かう通り 2018年3月3日】
親切な観光案内所…アレ? おかしくない??
ポンペイ駅からポンペイ遺跡に向かう途中、黄色い店構えの「i」と表示したお店の前を通りました。
地図や写真が飾ってある様子から、どうやら観光案内所のようです。黄色い制服を着た明るい雰囲気のお兄さんが、
「コンニチハ、ニホンジンデスカ。freeノチズアリマスヨ」
と片言の日本語で話しかけてきました。
『地球の歩き方』で下調べして
「ポンペイ遺跡では無料の地図がもらえる」
と確認していた高1長女は、
「この地図をもらうんだって!」
とお兄さんの後に続きました。
お兄さんは、ポンペイ遺跡の地図を拡げ、
「ここが見どころ…」
と地図に印をつけて教えてくれました。
こうした観光案内所は16年前には見かけませんでした。イタリアにもこんな公の親切なサービスがされるようになったかと、感心しておりました。
と、ここでお兄さんが、日本語で書かれたポンペイ遺跡の本を取り出しました。
遺跡の写真の上に、古代の様子を描いた透明なシートを重ねると、当時の様子が分かる……というイラスト入りの本です。
「へえ、面白い本ですね」
とペラペラめくっていると、お兄さんの説明に力が入りだしました。
「ポンペイ遺跡はとても広大です。ガイドがいないと、あなたたちは迷って外に出られなくなるでしょう。ガイドはひとりにつき100ユーロかかります。しかし、この本があれば、ガイドを雇う必要はありません」
……はあ。
「この本は本当は20ユーロです。しかし、ここで買えば16ユーロでOKです」
……はあ、そうなんですか。
娘たちに、記念に買っていく?と尋ねるも、「無駄遣いはダメ」と言い合っていた私たち。
「無料の地図があれば、いらないよね」
とお断りしました。
すると、さらにお兄さん。
「ガイドを雇うか、この本を買うか、どちらかをしないと、入場はできない」
と言い出すではありませんか。
「アレ? おかしくない??」
ここらで、このお兄さんが親切なだけの好青年ではない!と気づきましたよ!
「ガイドブックにも、オフィシャルサイトにも、どこにもそんなことは書いてありません。いつからそんなルールが決まったのですか?」
と質問すると
「ポンペイ遺跡は毎年発掘が続いているから、前とは事情が違う」
と譲りません。
そこで、
「あなたは迷って出られないといいましたが、遺跡の中には係員がいますし、大勢の観光客がいるため、その人たちに尋ねれば出口は見つけられますよね」
と質問しました。答えないお兄さん。
さらに
「私は、ポンペイ遺跡を訪れるのが3回目です」
と伝えたところで、お兄さんはこれまでのやりとりをなかったことに。
論調を変えて、提案してきましたよ。
「ほら、こんなに小さい子がいるんだから、絵本があるほうがいいに決まってるじゃないか」
と、小5三女に向かって、笑顔でイラストを見せ始めました。
欧米の小学校高学年はとても大人っぽいため(映画「レオン」のマチルダ役のナタリー・ポートマンは当時、今の三女と同じくらいの歳でした)、
「きっと小学校低学年か幼稚園児に見えたんじゃないの?」
と後日振り返りました……。
「ほ~ら面白いだろう?」という雰囲気のお兄さんを横目に、
「三女ちゃんがほしいに決まってるって言ってるけどどう?」
と尋ねたら、三女
「いらないよ……」
と困惑顔。
そこで
「私たちにこの本は必要ありません。ありがとう」
とお伝えしたところ、お兄さんの態度豹変。
「はい、じゃあ、さようなら」
と地図をたたみ始めました。
「その地図は無料でくれるといいましたよね」
と確認すると
「この地図は、本についているんだ」
とのこと。
うっそ~、どうみても、無料配布の地図ですよ!
「あなたのいうことは、デタラメばかりです。私たちはもう行きます」
とお伝えして、観光案内所を後にしました。
「また騙されそうだったね~」
「日本人って狙われてるね」
「あんな仕事してて、あのお兄さん、幸せなのかなあ」
と口々に意見交換しつつ、ポンペイ遺跡の入り口まで歩きました。
【ポンペイ遺跡入り口(円形闘技場そば) 2018年3月3日】
ポンペイ遺跡では……
- 入り口で、正真正銘の無料地図が配られていました。
- ガイドを雇うことは、必須ではありませんでした。
- 先程見た日本語の絵本は、12ユーロで売られていました。
- 主要な遺跡には監視の係員がいるので、目当てのスポットへの行き方を尋ねられます。
- 迷っても、周りの観光客に尋ねれば、教えてくれます。
やっぱり、先程のお兄さんの話はデタラメばかりでしたとさ。あぶない、あぶない。
「i」のマークがあっても要注意
ネットで情報収集できなかった時代の海外旅行では「i」のマークの観光案内所が頼りでした。
16年前のイタリア旅でローマのB&Bを教えてくれたのも、ポンペイ中心にあった「i」の観光案内(正規)でした。
今回、ポンペイ駅から遺跡の入り口までの通りには、16年前には見かけなかった黄色い店構えで「i」のマークを掲げた観光案内所が点在していました。
帰国後、日本語でこの観光案内所について調べても、これといった情報は得られませんでした。
しかし、英語で「ポンペイ 悪質 観光案内所」と検索すると、以下のような情報にヒットしました。
「黄色い制服を着たスタッフのいる観光案内所が『今日は遺跡は休みだ』と声をかけてきて、高額なヴェスヴィオ火山観光に勧誘された」
「正規の観光案内所だと思っていたら、高額なガイド料金を請求された」
うーん、やっぱり被害に合っている人たちがいらっしゃるんですね。
観光で栄えている国なのに、街なのに、こうした観光客を食い物にする悪質な商売がどうして野放しなのか、不思議でなりません。
16年前はガイドに感じた身の危険
ちなみに、正規のガイドは大丈夫なのか。という問題についてです。
実は、私の経験上、ちゃんとガイドを雇えば大丈夫です。とは、言い切れないものがあります。
というのも、16年前に、赤ん坊だった長女と初めてポンペイ遺跡を訪れたときは「広大で迷う」という事前情報を信じ、ガイドをお願いした経験があるからです。
遺跡内の鍵を持っていて、公開されている建物以外も見せてくれるなどしたので、正規のガイドだったと思います。
ただし、このガイドが曲者で……。
遺跡の説明はそっちのけで
「今日はどこに泊まってるの? 夜ご飯、一緒に食べない? 赤ちゃん連れは危ないから、僕の車で送ってあげるよ」
とアフターのお誘いばかり。
「お前が1番危ないっつーの!」
と日本語で悪態をつきながらも料金分働いてもらおうとしていたのですが、挙げ句、
「ここはこっそり見せてあげる」
と公開されていない建物の鍵を開けて案内し、
「君のように美しいバストの日本人に出会ったのは初めてだ。日本人はみんな胸が小さいから…」
と胸に触ろうとしてきたのです。怖い! 怖すぎる!
「胸が大きいのは、授乳中だからなんで!」
と叫んで逃げてきました。ああ、びっくりした。なんてこった。
ガイドといえども、屋外の観光地といえども、子連れでも、産後太りでも、男性と2人はヤバイと肝に命じた出来事でした。
入場前に南イタリアの味でひと休み
入場する前に気疲れしたので、一休みして腹ごしらえすることにしました。
遺跡の中は飲食できる場所がほとんどなく、あっても割高に決まってますからね。
まずは、切り売りのナポリピッツア。
もちもちして美味しい。焼き立てを皿に盛られてナイフとフォークでいただくピザももちろん美味しいのですが、この路上でかぶりつく切り売りピザもまた違った味わいです。
それから、こちらも南イタリアの味。ライスコロッケです。
円錐形のコロッケの中はトマトソースとチーズがからまったご飯。サクサクの衣との相性抜群です。
イタリアは街歩きの食べ物が、ほんとに美味しい国だとつくづく感じます。こうやってイヤな思い出も帳消しにされるんですね。
気を取り直して、次回はポンペイ遺跡の中をご案内します。
まとめ
というわけで、有名観光地には危険がいっぱい。このあとも何度かカモにされかけました(それはまたの回に)。
もし、これからポンペイ遺跡など、イタリアの有名観光地を訪れる方は、くれぐれもご注意ください。
楽しい観光になるようお祈りしています。
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