誰かから聞いた話を鵜呑みにしていませんか。 「事実」は1つでも、「真実」や「見え方」は立場によって様々です。時には、 認知の歪みや悪意から間違った情報が伝わることもあります。違和感には敏感に、「裏取り」をお忘れなく!(写真:お腹真っ白で、腹黒い悪意とは無縁のうちのドラちゃん)
「真実」はひとの数だけある
名探偵コナンの決め台詞に「真実はいつもひとつ」というのがあります。
私はこのセリフに違和感があります。「事実」なら確かにひとつですが、「真実」はその事実を受け止める人の数だけ存在 すると考えるからです。
例えば、先日、私の買ったばかりのロードバイクに、不調が現れたことがありました。
メーカー直営店に持ち込んだところ、 致命的な部分が壊れているということ。提案は「廃車して買い替え、新車から必要なパーツを外して壊れたパーツと交換する」でした。この方法は 40万円ほど(プラス工賃4万円)がかかります。
けっこうな大金ですし、そのバイクをとても気に入っていたのでショックでした。
不具合が生じたバイクは買ったばかりでこちらが乱暴に扱ったわけでもなかったので、他にも方法があるのではないかと考えた私は、 ロードバイクに詳しい仲間やロードバイク店やトライアスロ ショップを営む知人らに、 この不調を伝えて写真を見せ「ベストと思われる対応方法」を提案してもらいました。
すると、 ほとんどの人が、 廃車・買い替えではなく、「ある修理方法とあるパーツの交換」という同じ提案されました。その提案をメーカー直営店にも伝えましたが、その方法は安全性が保証できないため対応できないとのことでした。
そこで、修理を提案してくれた自転車屋さんの一つに持ち込んだところ、1万円ほどの費用(工賃込み)で修理は完了し「安全性に問題なし」とお墨付きをいただき、今も普通に乗れています。
このケースでは、バイクの不調に対する「ベストの対応方法」という「真実」はひとつではなく、メーカー直営店さんと他の方たちとで異なっていますよね。
他にも、例を出します。
あなたが販促について相談したら、 印刷屋さんは チラシ制作を勧め、 ホームページ制作会社は ホームページを強化するよう勧め、 広告代理店は 広告を出稿するようにきっと勧めるでしょう。
私なら「ブランディング戦略をきちんと立てて、紙媒体か ウェブか広告かなど最適な媒体を検討したうえで、コンテンツやコピーやデザインを効果的に改善する」ことをご提案します。
バイクメーカーはバイクが売れることが業績につながり、 印刷やさんは印刷機が動けば儲かり、 ホームページ制作会社は ホームページに手を入れると対価を得られます。
私はブランディング意図を組んだ編集が本業なので、「見た人の心が動いて購買行動につながり利益が増える」ことが成果…… というふうに、その立場からオススメする方法の回答はいろいろです。
「ひとり起業にあたりホームページを作ろうと、ホームページ会社に相談して100万円以上するサイトを作ったが、作ったあとから、もっと安い仕様でもよかったことに気づいた。無料で作れるサービスまであるとは知らなかった」と後悔しているというお話を伺ったことがあります。
この件は「先に相談してくだされば、開業資金や広報予算の適正配分をアドバイスすることができたのに……」と残念でした。
こうしたいろんなミスマッチは、だれかが嘘をついているわけではなく、その人の立場やその人が大切にしている価値観に対して誠実に、それぞれがお客様にオススメしたい「真実」を伝えているんですよね……。
「聞いた話」に要注意
また、「誰かから聞いた話」にも、要注意です。
なぜなら、その話に、それを伝える人の認知の歪みやある意図が含まれていることがあるからです。
うっかり間違った情報が伝わるだけでなく、 悪意を持って意図的に改変した情報を伝えてくる人もいます。
例えば「あの人があなたの悪口を言っていた」など、根も葉もないことを伝えて、仲違いを目論む……みたいな人ですね。
ちなみに、こういうケースは「カバートアグレッション(隠れた攻撃性)」といいます。「邪魔な存在」に対して善意を装いながら攻撃することです。
強烈な自己顕示欲や「自分の思い通りにものごとを進めたい」といった欲求を満たすために、周囲をコントロールし「邪魔な存在」を陥れようと企みます。
バレないように間接的に追い詰めることが多く、「邪魔な存在」以外の人に対しては、無邪気だったり被害者ぶったりと外面がいいため、「邪魔な存在」の人以外に分かりにくいところがやっかいなんですよね。
裏取りして情報編集
私たちが他人から受け取る情報の中には、立場によって異なる様々な「真実」や、 歪んだ認知&間違った認識による伝達間違い、 あるいは悪意を含んだ情報操作なども紛れ込んでいます。
それでは、 私たちが自分にとってベストの情報や 正しい情報を得るにはどうしたらいいのでしょうか。
そこでオススメしたいのが「裏取り」です。
「裏取り」とは、マスコミの取材で取材内容が正しいと判断できる証拠を集めることです。
私は新聞記者になったとき、取材対象から聞いた話をそのまま書くのではなく、 事実かどうかちゃんと調べるようまず教えられました。
編集プロダクションで書籍や雑誌などを作るときも、 文書や書籍などをあたって事実確認をする校閲作業は、大切な業務でした。
それらの業務を通じて分かったことは「 人間は驚くほど、間違ったことを言うものだ」ということです(笑)。
記憶が曖昧だったり、 確認していない適当情報だったり、何かを隠していたり、 誰かを騙そうとしていたり…… 人間にはいろいろあるんだなあ……と実感したものです。
「自転車を正常に戻す方法」や「効果的な販促方法」や「オススメのホームページ」や「あの人が悪口を言っていた」についても、1人からの情報を鵜呑みにするのではなく、立場の違う何人かに確認してみることで、辻褄が合ったり合わなかったり、ひとつの事柄に対する多面的な見方が理解できたりします。
こうした情報編集力は、学校で点数化して評価するような力ではありませんが、あふれる情報の中で生きる私たちにとってとても大切なスキルです。
本人や専門家に直接確認しよう
その分野に詳しくない情報弱者的な人や「他人は嘘をついたり、騙したりすることなく、真実を言うものだ」と信じているピュアな人は、間違った情報に惑わされたり、騙されたりしてしまいがちです。
繰り返しになりますが、 いろんな人から話を聞いて、自分にとってのベストな「真実」を見つけましょう。
また「あの人があなたの悪口を言っていた」系のカバートアグレッションについては、 伝聞ではなく、当人同士で話をすれば解決することがよくあります(話し合うと「あの人、いろんなところで違うこと言ってる!」と、バレるんですよね……)。
「自分が悪いのでは…??」などと引っ込むことなく、違和感をもったらその分野の専門家に何人か話を聞いてみるとか、 変な圧力を感じたら弁護士に相談するとか、周囲の仲間と話して意見を聞いてみるとか、視野を広くして積極的にいろんな情報を集めてみてください。
集まった情報を結びつけて編集すると、自分が「真実」だと思い込んでいたことが、ガラリと変わってしまうこともありますよ!
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