病気や育児、不利な環境など、ネガティブに思える出来事。しかし、そうした経験や環境が、社会を変えるきっかけになることがあります。自分の困りごとや辛さ、悔しさを出発点にして、仕組みづくりや社会の変化につなげた人たちがいます。困ってきたあなただからこその経験を誰かの役に立てていきましょう!
困難が未来をよくするヒントに
生きていれば、誰しも思いどおりにいかないことにぶつかります。「親ガチャ」という言葉にもあるように、生まれ落ちた環境がひどいと嘆きたくなることがあるかもしれません。
しかし、それを「仕方ない」「そんなもんだ」と我慢するのではなく、「それでも、なんとかしたい」と考えることで、変化の種が生まれます。
自分の経験や知識を共有すること、自分がぶつかった困難を解決することで、同じような悩みを持つ人たちの力になれたらいいなと思います。
私がブランディングの仕事をしたり、とやまcocolo会に活動をしているのはそんな思いからです。

橋本聖子さんに学ぶ困りごとから始めた制度づくり
先日、橋本聖子さんのお話を伺う機会に恵まれました。
橋本さんはオリンピック選手として活躍する中で、日本のスポーツ医科学が海外に比べて、ものすごく遅れていることに気づきました。
その経験から政治家として、スポーツ政策に積極的に取り組むようになったそう。それが、2001年の国立スポーツ科学センター(JISS)開設につながりました。
また、オリンピック選手である一方、橋本さんは3度も難病で苦しい時期があったそうです。
治療に必要な薬がドーピングの規制に触れることがあることで薬が飲めないという不具合をその身で体験します。
そこで、「スポーツファーマシスト制度」を立ち上げ、薬とドーピングの間に立つ専門家の存在を制度化されることになりました。
お話を伺っていると、「女性として」「患者として」「スポーツ選手として」と特定の立場からの主張・批判にではなく、「人として」という視点から、さまざまな提案をされている印象を持ちました。
封建的なスポーツや政治の世界で、男女関わらず支持者が多いのは、こういう姿勢からなんでしょうね。

私は実は子供のころから体が弱くて、それで20代から健康に気を遣うようになりました(トライアスロン3種目はその一環)。「自分は体調崩しがちだから、それは無理」と引っ込みたくなることもあります。
しかし、そういう体質体調とも折り合いをつけながら、やりたことを目指したり、同じような人の助けになる活動をすしたりすることって大事だと改めて感じました。
仕事と家庭の両立に関する悩みを社会の知恵に変える
「逆境体験をみんなの改善につなげた」例としては、佐々木常夫さんの存在も思い出されます。

佐々木さんは、東レの役員として成果を出しながら、家庭では障害のあるお子さんの育児と妻の介護に取り組んできました。
家族と仕事、どちらも手を抜けないなかで、試行錯誤しながら時間の使い方や働き方を見直し、業務効率化を追求されました。
そうして、その経験をシンプルな指針にまとめ、著書や講演で発信。ワークライフバランスやダイバーシティの分野の発信者としても活躍されました。
「自身の問題解決を共有することが誰かの役に立つ」ということを佐々木さんの姿から実感します。

体の弱い自分がラクならみんなもラク
「困難な状況」は環境だけではありません。橋本さんが難病にかかったように、自分自身の体力や健康状態に恵まれないこともあるでしょう。
そんなとき思い出すのが、富山県砺波市でチューリップ栽培を広めた水野豊造さんです。
水野さんは、幼いころから体が弱く、ほかの男性たちのように出稼ぎに行けないことが悩みだったそうです。
当時の砺波市は、庄川の砂まじりのやせた土地で、冬も雪に覆われるため、出稼ぎが当たり前でした。
しかし「農業だけでも生活できるように」と試行錯誤し、チューリップ栽培に打ち込みました。
「男が出稼ぎにもいかず、花なんて」と批判されながらも、チューリップ栽培がさらに球根栽培が、地域に広がり、今では砺波の名物となり海外に輸出もされています。
「体が弱いからできない」ではなく「体が弱くてもできることなら、みんながラクにできる」。そう考えることで、地域全体の働き方や産業を変えるほどの力になりました。
今の日本では、一般的に体力が男性より弱く、毎月の生理や出産育児で体調を崩しがちな女性が、とても働きやすい環境とは言えないことが多いと思います。
しかし弱い側・劣る側がよりよい提案をすることで、それまでの強者男性に合わせたフツーがひっくり返ることもあったという好例ですね!
あなたの苦しい経験はきっと誰かの力になる
あなたにも、「こんな自分には、こんな状況では何もできない」と思ってしまうことがあるかもしれません。
しかし、そんなあなたのお悩みのなかに、大切なヒントが隠れています。
私が取材で、成功してご活躍の方にお話を伺うことがありますが、その出発点には「困った」や「悩んだ」ことがあることがほとんどです。
あなたが感じた違和感や「なんでこうなんだろう?」という疑問。その感覚を言葉にしていくことで、社会の不具合やビジネスのタネを見つけることができるかもしれません。
見つかったら、それを周囲に伝えてみましょう。
ひとりでは解決できなくても、誰かと共有できたとき、解決できる人やモノ、知識が現れ、大きな変化につながることも多々あります。
あなたの苦しい経験は、きっと誰かの力になります。言語化して、発信していきましょう!
これでいいのか自信がない……迷ったときは「言語化コーチング」
自分ではうまく言えない、うまく書けない……そんなときは、林原商店の言語化コーチングがオススメです!
お話を伺いながら、漠然とした想いやうまく言えないお考えを質問で引き出し、整理することからスタート。
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