「やらない」と「できない」との狭間で

「やりたいこと」「できないこと」を決めておくとよい、というブログに、「できない」ではなく「やらない」だよね…というコメントをいただきました。そうなんです。「やらない」ことを決めることは大事ですよね。

では、「やらない」と「できない」は、どう違うのでしょうか。

仕事のノウハウ本などでは、こんな言葉をよく見かけます。

「『できない』と言ったら、次に仕事はない」
「『はい』か『イエス』か『喜んで!』と返事しよう」
「まずはできると言う。そのやり方は後から考える」

……確かに、これは素晴らしい考え方です。頭っから「できませ~ん」と言ってたら、ほんとに何もできませんもんね。

ただ、一方で「できない」と言えないばっかりに、無理難題と思われる課題を受け入れて、押しつぶされそうになるケースも見受けられます。

「『できる』とか『はい』と言ってからやる方法が考え出せる」という能力や「徹夜と行動量で補える」という体力がある人、家族ケア時間をもつ必要がなく「スキルがない分、時間でカバーする」と言える人にはいいかもしれません。

しかし、その能力や体力や時間がない人にとっては、自分を非常にしんどい状況に追い込んでしまうことがあります。

その結果、無理がたたって心身を病んだり、家族や仲間をまでも傷つけることになる場合もあるかもしれません。「やらなきゃ」と頑張った末、「やっぱり無理!」となったときには、「いまさら言うか?!」という時期になっているかもしれません。

でも、そこまで無理しなきゃいけませんか? そうしなくてもいい場合も、多いと思うんですよ。

私も、外部の方にお仕事をお願いすることがあります。もしも、その方のスキルや、使える時間と仕事の量のバランス的に「無理!」と思ったら、そうおっしゃっていただくようお願いしています。

心身に無理をかけて病気になったり、家族を泣かせたり、「あの人の仕事はキツい」とぼやきながら引き受けるくらいなら、
「私にはそのスキルはないので、お断りさせてください」
「このぐらいのペースならできるんですが、大丈夫ですか」
などと言っていただいた方がずっといいと思うんです。

頼む方からすると、「そんなにしんどいなら、無理しなくても大丈夫よ」という程度のこともあります。合わせられる場合もあります。「できない」部分を確認し、そこを別の人がサポートすれば、できるようになることもあります。

「簡単にできないと言うな」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

でも、なんと言われても、4回転ジャンプは跳べないし、100mを9秒台では走れません、私の場合。

「4回転は無理です」とか「100mは20秒かかります」と自分のできないことを言うのは、不誠実ではないでしょう。4回転ジャンプや100m走はできる人にお任せして、私は自分のできることに力を注げばいいのではないでしょうか。

そんなわけで、「やりません」と同様に「できない」も言いやすい世の中が、やっぱりいいんじゃないかなって考えております。

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ちなみに、私が「できない」とした事例には……

「優勝カップに注いだ日本酒の一気飲み」
「飲み会で、体を触ってくるおじさんのお酒の相手」
「3夜連続の徹夜」
「妊娠7か月で内示を受けた単身赴任」
「40代女性向け官能小説の執筆」
「無料で受けてと頼まれた、40万字くらいの文章の編集」
「欠陥商品とわかっている商品のPR」
「パニックで泳げなくなってしまったトライアスロンのスイム」
「暴風雨で、山岳警備隊の方からやめたほうがいいと声をかけられた立山登山」

といったことがあります。

「できないこと」を「無理」や「頑張る」のは、時に命を縮めます。ここぞ!というときだけにしておきたいものですね。

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