旅に出たら、思い出を文章にまとめたくなりませんか。でも、どうやって書いたらいいのか分からない……そんな方のために、旅の思い出をまとめた「紀行文」を書く意義や書き方をまとめました。
【厳島神社の大鳥居】
古くから書かれている旅の記録「紀行文」
旅をして見聞したことや、それを見た自分の感想を記録する「紀行文」は古くから書かれ、読まれています。
基本的な執筆スタイルは、時系列で見聞した事柄を記すことです。そのほかには、歴史を軸にした司馬遼太郎の『街道をゆく』、
食文化に焦点を当てた辺見庸の『もの食う人びと』のように、あるテーマを絞って旅先の事情を書いたものも、読み応えがあります。
短編小説ではありますが、太宰治の『佐渡』も、紀行文として楽しめる話です。
紀行文を書く目的
旅の記録
私たちが紀行文を書く目的は、なんといっても旅の記録でしょう。
楽しかった旅の記憶も余韻も、過ぎる時間に追いやられ、日常の雑事に上書きされて、どんどんと薄れていきます。
その前に、鮮明な記憶を記録として残しておけば、見返すたびに旅の思い出を蘇らせることができます。
写真だけアルバムに貼るのもいいものです。ただし「これ、なんの写真だっけ?」となりがちなもの。それなら文章でも残しておくと、さらにいいですよね。
追体験を楽しむ
紀行文を読む方の楽しみは、著者の旅を追体験できることです。
もっというと、著者の見たもの、聴いたことはもとより、知識や感性、思考法までも、一緒に体験しているような面白さがあります。
紀行文を書く手順
では、紀行文はどんなふうに書けばよいのでしょうか。
決まりごとはありませんが、「書いてみたいが、書き方が分からない」という方のために、一例をご紹介します。
1,日程を書き出す
まずは日程表などを頼りに、行程や時間など旅のスケジュールを書き出しましょう。
正確な事実は、どんどん忘れていくものです。
2,訪れた場所を書き出す
訪問したスポットや食事した場所、食べたものなどを書き出します。
お店の名前や食べた料理に入っていた素材など、意外にはっきり思い出せないことに気づくことでしょう。
そんなときは、ネットで調べたり、同行者に確認して今のうちに思い出しておきたいものです。
3,それぞれの場所の印象を書き出す
観光スポットや食べたものなどの印象、そこで感じたことや思い出したことをメモします。
特に心に残ったことはどんなことでしたか。
何を感じ、何を考えていましたか。
この部分が、あなたならではの紀行文を生み出します。
4,執筆する
先の「書き出す」で「いつ」「どこで」「なにを」「どんなふうに」までがメモできました。
このメモを材料に、文章を書き始めまましょう。
ポイントは、読書感想文同様に「自分」を記す文章だということです。
そのときやったこと、見たもの、感じた思いなどを通じて、「自分」を掘り下げて記述するのです。
文章の構成は、おなじみの「起承転結」が書きやすいのではないでしょうか。
以下に内容の一例を挙げます。
内容の一例
紀行文全体については以下のような例です。
- 起…なぜ旅に出ることになったのか。なぜその場所を訪れることにしたのか。
- 承…実際に訪れたときに目にした光景、その場所の解説
- 転…旅を通じて1番面白かったこと、強く感じたこと
- 結…旅を終えての感想
「承」のなかには、訪れた場所ごとに、また小さな「起承転結」が繰り返されます。
以下の事柄を書いてみましょう。
- 起…訪れた場所、なぜそこを訪れることにしたのか、魅力を感じた理由
- 承…実際に訪れたときに目にした光景、その場所の解説
- 転…その場所で1番面白かったこと、強く感じたこと
- 結…訪問を終えての感想
最初は箇条書きでおおまかに書き出し、それから文章として整えていくと、書きやすいですね。
表現を工夫する
「文章で書く」といってもただ書くだけではこんな感じになりがちです。
今日は厳島神社に行きました。(起)
大きな鳥居が海の中に立っていました。(承)
すごいなあと思いました。(転)
また行ってみたいです。(結)
いかがでしょうか。
事実は確かに「起」「承」のとおりですし、感想は「転」「結」のとおりなのでしょう。しかし、この著者ならではの、面白い文章だとは言えませんね。
自分ならではの文章、つまり独自性があって面白い文章にするには、描写がポイントです。
目にした風景、それを見たときの心情、そこで思い出したことなどを、詳しく書いていきましょう。
詳しく書くポイント
具体的に
「すごい」や「きれい」「美味しい」などと書いた部分はありませんか?
「すごい」部分はどこでしょう? どうしてすごいと感じたのでしょう?
どんな部分が「きれい」でしたか? どんなふうに見えて「きれい」なのでしょう?
「美味しい」を使わないで、美味しさを表現してみてください。
といった感じで、どんどん具体的に書いてみましょう。
比喩をつかう
文章上手は、比喩の使い方が抜群です。自分でもしっくりきて、読み手にも理解できる比喩をつかってみましょう。
具体的に書いたり、
詳しく書くと、書く人にとっては「詳しい記録」なります。
一方、読む人にとっては「眼の前に風景が広がるよう」とか「なるほどこんな見方もあったか」とか「これは役に立つ情報だ」といった面白さに繋がります。
編集や印刷製本したくなったら
書き終えた文章は、ブログやSNSにアップすると楽しいものです。
さらに、編集者による編集を加えたり、製本すれば、一生の思い出の品となることでしょう。
参考に林原りかの紀行文もどうぞ
よかったら、林原りかの旅の記録もご参考にごらんください。
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