読書感想文などの夏休みの宿題を多くの親御さんが手伝う(やってしまう?)そうです。親が書いたり、手をたくさん入れた感想文を提出するメリットってあるんでしょうか。それよりも「どうやって書くの?」と質問されたとき、やり方を教えられたほうがいいと思いませんか。
読書感想文をめぐる悩みいろいろ
読書感想文を親に手伝って(書いて)もらうとどうなるでしょうか。
建前上は「自分が書いた」と言わなければならないわけですから、学校で先生に対して隠し事やウソが生まれることになります。
「自分は親にやってもらわないと感想文が書けない」という非成功体験は、子供にとってプラスになるとは思えません。
一方、自分で書かせる場合、「いつになったら書くの?」とガミガミと叱って書かせるのも、むしろ読書が嫌いになってしまいそうです。
また、「読書感想文は、私も嫌いだったし、書けない。書き方も、なぜ書く必要があるかも、どうアドバイスしていいか分からない」というお声も伺いました。
書き方が分かればみんな書ける
しかし、私の経験上、感じていることがあります。
それは、「書き方」が分かれば、文章はけっこう書ける。
「書けない」とおっしゃる方は「書き方」が分からないことが多い。
ということです。
お子さんも「やらない」「書けない」は、書き方が分からないだけかもしれません。
こんな場合は、書いてやったり、手を加えるのではなく、書き方を教えるのがオススメです。
「書き方」が分からない!という方は以下を読み進めてください。
なるべく面白そうな本を早く読み始めよう
まず、読書感想文の最初のポイントは、早く読み始めることです。
読書感想文の課題図書は、学年が上がるにつれて、ボリュームのあるものになっていきます。
感想文を書くために味わい、理解しながら読み、メモをとったり付箋を張ったりしていたら、普段よりも読書スピードも落ちます。読書期間はしっかり確保しておきましょう。
また本は選べるなら、子供自身が「面白そう」と興味を持ったものにしましょう。興味のない本を読むのは、大人でも退屈ですし、得るものも小さいからです。
読むときのコツは、読みながら「面白い」「悲しい」「これはどういうこと??」など、感情が動いた部分や関心を惹きつけられた部分、そこで考えたことをメモしたり、付箋を張ったりして、見返せるようにしておくことです。
感想文の基本の「型」を知る
読み終わったら構成を考えます。※文章を書く前に構成を考えるのは、編集者やライターも同じです。
書けない理由の多くは、書く「ネタ」と「順番」に迷うことが大きな原因です。このとき、読書感想文の「型」を知っていると、格段に書きやすくなります。
構成例をご紹介します。以下のような4部構成にしてみます。「ネタ」となる情報を引き出すための質問も併記します。
1、なぜこの本を選んだか
・この本を選んだのはなぜですか。
・この話はどんな話ですか。大まかに答えてください。
(作者、発刊年代、大まかなあらすじ、表現上の特徴など)
2、とくに面白い(感情が動いた)場面とその理由
・一番、面白かった場面はどんな場面ですか。
・面白いと感じた理由はなぜですか。
※付箋の貼られた場面を見返します
3、自分との比較
・自分だったら、どうかん考えますか。どうしますか。
・似たような経験はありますか。そのときどうしましたか。
「自分にも似たような体験があり、そのときはこうだった」「自分ならこうするだろう(こう考えるだろう)」「自分は別の行動をとるだろう」と考えます。
※「自分なら絶対無理です」は、話がおわっちゃうのでやめましょう。
4、その本から学んだこと
・この本を読んで、どんな発見がありましたか。
・この本を読んだ後、どんな変化がありましたか。
・この本を読んで、これからどんなことをやろうと思いましたか。
・この本を読んで、これからどうありたいと思いましたか。
書いたら、誤字脱字のチェックをお忘れなく!
読書感想文は「自分」を語ること
この中でポイントは、「3、自分との比較」「4、その本から学んだこと」です。
なぜなら、読書感想文とは「本を通じて『自分』について考え、それを伝えることること」だからです。これが案外知られていません。
あらすじの要約や前書き・後書きのコピペは読書感想文ではありません笑。
自分について語るから、その文章はオリジナリティを持ち、読む人にとっても面白いのです。
読書習慣と読むスキル、言葉で表現するスキルは人生の武器
読書感想文は、その本の内容を「自分ごと」として考えたり、「本当にそうだろうか」と批判的に捉えたりすることで、読解力や論理的思考力や表現力の鍛錬につながります。しっかり取り組みたいものです。
また読書習慣を身につけるきっかけにもなりうることでしょう。
「読書」には人生が楽しく、豊かにする効果があります。
なぜなら、以下のようなメリットがあるからです。
・知識が増える→判断力が高まる。アイディアが増える。
・語彙が増える→コミュニケーションがうまく行きやすくなる
・先人の生き方に触れることができる→自分が迷ったときに指針を得られる
・想像力、好奇心がアップ
・隙間時間や待ち時間が有効に使える
・ストレス解消やリフレッシュになる
・脳トレになる
・上記のような効果の結果として、学力や仕事の能力の向上、人間的な魅力がアップ
本来、新しい知識やワクワクするストーリーに出会える「読書」は、勉強でもあり、娯楽でもあります。
また、自分なりの考えをもったり、その考えを伝えて他の人に理解され、認められることも、大変に嬉しいことだと思いませんか。
読書感想文は、こうした効果につながる「読書」の楽しさや喜びを知るきっかけになりえます。せっかくの機会を活かしていきましょう。
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ここだけに掲載している林原りかの「自分史的自己紹介」をお届け後、言葉やブランディングで、ビジネスと人生を充実させるヒントをお伝えしています。返信もOK!
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