価格の交渉や支払いのゴタゴタが苦手。そんな人こそ「前金」で仕事しよう。

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「自宅しごと」などひとりで働く人やフリーランスにとって、「売上のいただきそこね」は避けたいところです。せっかくの労働が無駄にならないよう、売上をしっかりとお支払いただくまでがお仕事です。

【観光客に物乞いするひとたち:ベトナム・ニャチャン 2015年2月14日撮影】

フリーランスを襲う「不利な取引条件」とは

「仕事をすれば、報酬を支払ってもらえるのは当然じゃないか」と多くの方はお考えでしょう。もちろん、それが当たり前です。しかし、必ずしも当たり前の通りに進まないのが社会の現実なんですよね。

先日(2018年2月15日)、公正取引委員会が「人材と競争政策に関する検討会 報告書」を公表しました。

この報告書は、ライターやコンサルタントなど個人で「フリーランス」として働く人の契約の在り方を話し合ったものです。発注企業による不当な要求から個人を独占禁止法で保護することを柱としています

たとえば、フリーランスに降りかかる「不利な取引条件」には、以下のようなものがあるそうです。

  • 競合他社との契約を過度に制限
  • イラストなど成果物に必要以上に利用制限をかける
  • 人件費上昇を防ぐため、互いに人材の引き抜きをしないよう申し合わせる
  • 契約書を書面で交付してもらえない
  • 追加作業の費用を負担してもらえない
  • フレックス契約なのにフルタイム勤務を強要される

などなど。

NHKニュースによると

芸能人や個人で仕事を請け負う「フリーランス」で働く人などの6割以上が、発注した企業から事前に報酬額が示されなかったり、支払いが大幅に遅れたりするなど不当な扱いを受けた経験がある

とのことでした。

要は、支払う金額以上に、フリーランスを拘束したり、働かせたりする現実が問題となっているから、こうした報告書が公表されるわけです。

現実は、実に不条理でキビシイのです。

「先に働いて後払い」は何がマズイか

私は、幸い自分ではありませんでしたが、売上が払われないケースを身近でみたことがあります。

私の知人のデザイナーは、事前に価格を示し、しかるべき手順で承認を取りながら制作を進めました。にも関わらず、理不尽なやり直し指示を繰り返された末、
「気に入ったものを出さないから、報酬は払えない」
と一方的に支払いを拒否されてしまいました。

これって、ラーメン屋さんに入って全部食べておきながら、
「口に合わなかったから、金は払えない!」
とゴネているのと同じようなことですが、デザイナーやライターなどの業界では、ときどき聞くケースです。

抗議はしましたが、報酬の振り込みは結局なかったそう。

こうしたケースは、時間的・経済的にはもちろんダメージです。また、精神的にもかなり凹みます。ひとりで働くフリーランスの弱さを実感させられる出来事でした。

前金を提示してみよう

踏み倒しとまではいかなくても、売上の入金が遅れたり、勝手に減額されると、資金繰りが苦しくなることもありますし、督促の手間もかかります。

売上を受け取れなければ、経済的にも精神的にも痛手を被ることになります。ですから、こうした痛手は避けるための手をあらかじめ打っておきたいものです。

その手とはなにか。

私は前金で報酬を支払っていただくことをお勧めています。

私自身も基本的に(初めてのお客さまは必ず)前金、または手付金のお支払をお願いしています。

ただ、前金のお支払は、お客さまのほうに
「林原が、求めるレベルの仕事をちゃんとやらないと損を被る」
というリスクを負っていただくことになります。

そこで、前金にご納得いただき、リスクへの負担感を減らしていただけるよう、以下のようなことをしています。

・制作事例やお客さまの声をサイトで紹介し、仕事のレベルや内容の参考にしていただく
・仕事への姿勢や価格例をサイトに掲載しておく
・サイトのサービス案内に、前金をお願いしていることを書いておく
・問合せがあったときに、前金の説明する
・前金が振り込まれてから、仕事に着手する

そうは言っても、フリーの方から「仕事前に価格や前金の交渉ができない」という声を伺うこともあります。

前金でお支払いただくことに、申し訳ないような後ろめたさを感じる方もいるようです。

が、その気持はちょっと脇に置いておきましょう。

もしかしたら先方は、深い考えはなく、
「言われないから後払い」
としているだけかもしれません(資金繰りを考えれば、支払いは後にしたいのが当然です)。

ただ、私の実感では、前金をいただくと信用されていることをより強く感じ、「しっかりやるぞ!」という責任感がより一層強くなります。このことによって、仕事の質がより上がっていく効果はあると思います。

お客さまの方も、「もう支払ったのだから」と制作物にかける姿勢が、積極的になる印象を受けています。

というわけで、前金の支払いは結局のところ、お客さまのためになっていると考えています。

支払いトラブル回避策

その他、支払いのトラブルを避けるために、どんなことができるでしょうか。

私は、以下のようなことを心がけています。

報酬は仕事開始前に取り決める

ライター業務など出版物に関わる仕事は、全体の仕事量が始める前に分かりにくいこともあり、報酬を提示されないまま仕事がスタートすることが珍しくありません。

これ、よくない慣習だなあと思っています。

仕事後の価格交渉はトラブルになりやすいものです。

最低でも、「このくらいの仕事量ならこの価格」という程度でも取り決めてから、仕事を始めましょう。

私も、ライターやデザイナーの方に仕事をお願いするときは、条件を事前に提示するようにしています。

報酬の交渉はメールで記録に残す

前の話と多少かぶりますが、やりとりは口頭ではなく、メールなどで記録を残しておきましょう。

「言った」「言わない」のやりとりは、立場の弱いほうが涙を飲むことになりがちです。

契約書を交わす

本当に悪質な相手だった場合、契約書を交わしていたとしても、現実的にどうにもならないこともよくあります。

後払いで契約する場合は、契約書や条件を記載した書面にサインをもらっておきましょう。ないよりあったほうがいいという程度ではありますが、それでもあるほうがマシです。

仕事の質を上げるには、スキルアップに精進する以外に、本来業務以外の営業や事務の手間と心理的負担を減らすことも効果的です。

売上と自分の心身を守り、お客さまとの良好な信頼関係を築いて、本来業務に邁進するためにも、前金でお支払をお願いしてみてはいかがでしょうか。

また、前金でお支払いただけるお仕事や考え方をご理解いただけるお客さまを増やすよう、心がけてみてはいかがでしょうか。

参考

NHK NEWS WEB フリーランス6割「不当な扱い」

公正取引委員会 人材と競争政策に関する検討会報告書

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