今年は「毎月1本の映画を映画館で見る」という目標を立てました。3月の映画は「ジュディ 虹の彼方に」です。
往年のスターの成功その後を描く
「ジュディ 虹の彼方に(Judy)」は2019年の アメリカ・イギリス合作映画。「オズの魔法使」で知られるジュディ・ガーランドの伝記映画です。伝記映画。監督はルパート・グールド、主演はレネー・ゼルウィガーが務めました。
ストーリーは、ジュリーが亡くなる半年前に行われたロンドンでの連続ライブ にまつわるエピソードを中心に、子役時代の回想を交えて進みます。
「オズの魔法使」の成功で、スターの仲間入りをしたたジュディは、 疲労を感じるに働き続けられるよう、周りの大人たちによって薬物を与えられ続けました。
そのため、次第に薬物依存や神経症に苦しめられるようになっていきました。仕事に穴を開ける事もふえ、晩年は 経済的に大変苦しい状況に落ちていました。
離婚した夫との間に儲けた子供達と暮らすことも難しくなったジュディは、子供たちと再び暮らすことを目指して、まだ人気を保っていたロンドンでのライブ成功に挑戦します。
精神的にも肉体的にもボロボロのジュディでしたが、調子がいいときはステージでは圧倒的なパフォーマンスで観衆を魅了しました。
しかし、不安を紛らわそうと口にする薬物とお酒によってライブで大失態を晒し、ライブは代役が務めることが決定。アメリカに戻る前に、ジュディは関係者の厚意でロンドン最後のステージで歌うことになるのでした。
主演のレネー・ゼルウィガーが、全ての歌唱シーンを歌手による吹き替えなしで行い、ゴールデングローブ賞やアカデミー賞といった主要な映画賞で主演女優賞を受賞しました。
予備知識がないと分かりづらい
この映画は、日本人の若い世代にとっては、わかりにくい脚本です。なぜなら、ジュディに対する予備知識がないからです。
ジュディは「オズの魔法使」の後も、映画「スタア誕生」など多くの作品で活躍していますが、若い世代は「オズの魔法使」すら見たことがない人も多いことでしょう。
また、ジュディが少女時代から母親やハリウッドの関係者から薬物やパワハラ・セクハラによってコントロールされていたこと、結婚してもイメージダウンになるからと中絶を強制されていたことなどそのひどい扱われ方、ゲイの人たちから人気を集めていたこと、47歳のとき薬物の過剰摂取で亡くなったことを知らないと、映画に登場する落ちぶれたジュディと少女時代のジュディ、その間のジュディが結びつきません。
ジュディの人生について予習して見たほうが、理解しやすいと感じました。この映画の場合、予習しても映画の展開が見えてつまらないということはないかと思います。初めから見えているので…。
本当の悪いのは何?
若い女の子を薬漬けにして働かせたり、さまざまなハラスメントは今となっては犯罪レベルです。
若さ(と若い女性を性的にしか見ない姿勢)偏重や男女の役者の賃金格差、ダイエットの強制や長時間労働、ハリウッドの悪習が、まるでジュディ個人の問題のような描かれ方なのはちょっと残念に感じました。
現代の女性の置かれる立場の程度をひどくするとジュディの境遇…ということは、私たち現代女性も流されて生きれば、ジュディのような晩年を迎えるかもしれません。
「ジュディかわいそう」で終わりたくないですね。
レネー圧巻の演技は一見の価値あり
脚本や問題の捉え方にはやや不満のこの映画。一番の見所は、レネーの演技と歌ではないでしょうか。
レネーといえば、私も大好きな2002年のミュージカル映画「シカゴ」で、ロキシー・ハートですよね。お色気悪女が、本当にかわいかった!
今回この映画を見ようと思ったのも、レネー主演だったからです。
映画の中ではほとんど出ずっぱり。才能がありながら、愛情には飢え、これまでの失敗を食いつつも依存症とうつ症状によって自分をコントロールできない47歳の大スターを、リアル感たっぷりに演じました。
歌は、本当のジュディに比べるとうまくないとなるのでしょうが、十分な聴き応えでした。
レネー自身も、2010年から6年間休業していて、今作が復帰作。深みがより増したのは年齢と経験を重ねたからなのでしょう。
映画から得た教訓
いくら才能や能力があっても主体的がなければ活かせない
この映画で、ジュディがもがき苦しみながらも、必死で幸せを追い求める姿を見ていると、様々な教訓が感じられます。
まず、いくら才能と能力があっても、周囲がクズだったり、そんな周囲の言うことを聞いていると、その人の人生は潰されてしまうということです。
自分でどうしたいのか、どう生きたいのか、主体性と軸を持って自分で選んでいかなければ、本人にとって幸せな生き方はできません。
私たちの才能や能力や愛を求める気持ちを搾取しようとする人がいたら、拒否したいものです。
自己肯定感が高くないと愛を遠ざける
ジュディは母親や映画プロデューサーらから、容姿についてコンプレックスを植え付けたそう。
あんなに美人で歌も演技もうまいのに、自己肯定感がとても低かったそうです。
映画の中でも、自己肯定感の低さから、男性を束縛したり疑ったり、心配するマネージャーを拒否したり…ロンドンでのジュディの周りにはいい人がたくさんいたのに、自分の苦しみを吐露したり、頼ったりすることができません。
自己肯定感の低いと、周囲の愛を遠ざけ、幸せを遠ざけます。自分を認めるようにしましょうね。
また、心の病かも?と思ったら、病院にいきましょう。
ブラック職場や洗脳を仕掛けてくる人からは離れよう
ジュディの所属していた世界は、今でいうとひどいブラック職場です。
また劣等感を刺激て自己肯定感を下げ、自分から離れたら行くところがないぞと脅しす。これもブラック企業によくある洗脳手法です。
こういう職場や上司・経営者のいるところは、一刻も早く離れましょう。同業他社とかどこか、迎えてくれる場所はきっとあります。
健康第一でいこう
映画の中で大人のジュディがものを食べるシーンはラストシーン近くで、ケーキを食べるところのみ。
お酒と薬はガブガブ飲みますが、栄養をとっている様子が見られません。
また、興奮剤のせいか夜ふかしシーンも多い。これでは体だけでなくメンタルもやられてしまいます。
こんなにボロボロであれだけのパフォーマンスができたなら、健康で万全のコンディションだったらどれほどだったのでしょう。子供とだって引き離されなかったかもしれません。
しっかり寝て、栄養のあるものを食べて、適度に動いて、心身のコンディションを保ち、よいパフォーマンスをして、元気に長生きして家族や友人たちといい時間を過ごしたいとつくづく感じました。
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