私が40代前半で白髪染めを止めた理由。グレイヘアで困ったことは今のところなし

数年前から髪の毛のカラーリングを止めました。白髪をそのままにすると決めてから、決めた後もいろんなアドバイスをいただき、それぞれのご意見について自分なりにも考えていました。

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【白いアオザイの女性 2015年2月14日、ベトナム・ニャチャンで撮影】

目次

白髪退治していたころ

私は20代から白髪がチラホラありました。ただ当時は、多くの若い女性同様、オシャレの一環としてカラーリングを楽しんでいたので、白髪はそれほど気になる対象ではありませんでした。このころの白髪を見つけたときの対応は「抜く」でした。

抜くのが、気が引けるくらいの白髪が目につくようになったのは、三女を出産した33歳くらいのことです。

といっても、髪の表面に白髪は少なく、カラーリングでなんとか隠せる程度でした。分け目やおでこなど、目立つ場所に白髪が見えたときには、塗るタイプの「白髪隠し」で白い毛に色をつけていました。

髪を染めたくなくなった理由

三女を出産後、編集プロダクションに勤め、子育て、家事、仕事と忙しい毎日を送っていました。また2011年からはトライアスロンを再開し、健康増進の面からも、身体を動かす時間を作るようにしていました。

1日24時間をアレコレと配分するうち、時間がもったいないと感じることが出てきました。

そう、白髪を隠すための時間です。

美容院に行けば、少なく見ても1時間以上はかかります。家で染めても、ケープをかけたり、耳や襟元や生え際を養生したり、洗い流したりとそれなりの時間はかかります。

さらに金銭的な負担も気になります。

美容院で髪を染めれば1回5000円から7000円くらいはかかります。自宅で染める白髪染めは、価格こそ美容院よりも安いものの、服につけたり床につけたりと、そのためにダメにしたものも含めるとなかなかの出費です。

子供が3人いると何かと入り用です。トライアスロンだって、お金のかかるスポーツです。不要なところはできるだけ節約したい。

そう思うと、この毛染めのための時間とお金が、ひと月に1回はかかることがなんだか嫌だなあと感じるようになりました。

白髪が増えてくると、染めしたあと伸びた部分と染まった部分の境目が目立ち、2週間くらい立てばもう気になります。私が望むキレイさをキープするためには、2週に1回の白髪染めが必要ということになります。
しかし私はヘアカラーの匂いが苦手なうえ、頭皮の健康についても心配でした。お金も時間ももったいない。なのに染めている。なんだか白髪に振り回されているような気がします。

そもそも、自分の身体にくっついている髪がただ白いからといって、邪険に扱ってよいものでしょうか。自分のパーツは好きでいたいのに。

こうした状況で湧き上がってきた疑問がありました。

白髪を染めることに、これだけの時間とお金をかけるだけのメリットがあるのだろうか。

という疑問です。

「白髪染め」への「なぜ」いろいろ

「白髪染めをやめたい」と口にしたら、けっこう反対されました。その理由とその理由に対する私の疑問は以下のようなものでした。

白髪は汚い

一般的に「白」は「キレイ」と言われる色でしょう。

女子学生の白いアオザイ、花嫁さんのウエディングドレス、パウダースノウのゲレンデ、真珠の輝き、色白な美人。白衣など清潔の象徴とされる色でもあります。

なぜ髪に関しては、「白」が「汚い」といわれるのでしょうか。

ごましおは汚い

すると、反論は

「髪の毛すべてが真っ白ならキレイだけど、『ごましお』は汚いよ」

というものです。

しかし、漆黒の闇夜よりも、白々と輝く満点の星空が美しいと感じることに異論を唱える人は少ないことでしょう。山の木々に白い雪が積もった光景は「水墨画のように美しい」と言われます。

なぜ、黒い髪の毛に白が混ざると、「汚い」のでしょうか。

日本人の白髪はキレイじゃない

とある美容師さんからは

「欧米の方の白髪はキレイなシルバーヘアになりますが、日本人の白髪は黄色っぽくてキレイになりませんよ」

とアドバイスいただきました。

黄色っぽい白……それは「プラチナブロンド」に近いということでしょうか。

なぜシルバーヘアはキレイで日本人の黄色っぽい白髪はキレイではないのでしょうか。

老けて見える

また、「汚い」のほかよく言われたのが「老けて見える」というアドバイスです。

「60歳を過ぎてならともかく、30代で白髪なんて老けて見えるよ」とか、「旦那さんが嫌がるよ」とか「子供が恥ずかしがるんじゃない?」という方もいました。

ここで湧いてきた疑問が

「なぜ若く見せる必要があるのか」

というものです。

あなたが私の家族や友人・知人なら、私が1974年生まれであること、生年月日まで知らなくてもだいたいの年齢はご存知ですよね。

また、初めて知り合う方に私が老けて見えたとしてですよ、そのデメリットは何なのでしょうか。

「若くないから付き合えない」

とか

「若くないから発注しない」

などと、若いとか若くないとかで付き合い方を変える方なら、私の方こそあまり積極的にお付き合いしたいとは思いません。

家族はどうかというと、夫は、本人の努力と関係なく生えてくる白髪よりも、怠惰や暴飲暴食による「たるんだ身体」の方がかっこう悪いという価値観の持ち主でした。

長女や次女は

「お母さんの髪が白くても黒くても関係ない(つまり、どうでもいい)」。

三女にいたっては

「お母さんの髪は、ほかのお母さんと違っててかっこいい」

という始末。ますます、白髪を隠す理由が見つからなくなってしまいました。

女性としての身だしなみにかける

「身だしなみとしてどうかと思う」「女を捨てているように見える」「ずぼらに見える」とも言われました。

「身だしなみ」とは、なんでしょうか。衣類や見た目を整えることです。「おしゃれ」に比べ、「その場にふさわしいかどうか」の意味合いが強いことばです。

髪が洗っていないとか奇抜なヘアスタイルが「身だしなみにかける」といわれるなら分かります。

でも、女性の髪に白い毛があると「整っていない」「女を捨てている」「ずぼら」と言われるのはなぜでしょう。

先の「若く見えない」と合わせて考えてみると、白髪を染めることで「女であること」と「若いこと」をアピールして私が得られるメリットは何でしょう。

実際に私が若いかどうかはさておき、私が「若い女性」であることのみに価値をおく方からの好意は、時に命取りとなりかねません。

どちらかといえばリスクを感じますし、ご遠慮したいところです。

キレイ/汚いは主観による「評価」

このあたりまで考えて気づいたことがありました。

それは、「汚い」とか「老けている」とか「ずぼらに見える」というのは、事実ではなく「主観」による「評価」だということです。

きれいとか汚いとか、高いとか低いとか、速いとか遅いとか、こうした形容詞は、何かしらの比較対象があり、それを踏まえて主観的に「評価」する気持ちが込められています。

例えば、皇后美智子さまや草笛光子さんに「汚い」とか「ずぼらに見える」などという意見はききません。白髪は同じでも、そう評価されていないからです。

事実は単に「白い毛が頭髪に混ざっている」ことです。

これを「キレイ」というか「汚い」というかは、どう評価するかの違いだということです。

実際、うちの三女は、白髪交じりの私の髪を「かっこいい」と評します。別の方は「旦那さんが悲しむよ」と見ます。

前者は「人と違ったことを貫くのはかっこいい」、後者は「年老いた女は女性的な魅力にかける」という価値観に基づき、私の白髪を評価しているのです。

ではなぜ、髪以外では美しいもの、清潔感の象徴とされる「白」が、白髪に限りネガティブなもとのして評価されがちなのか。

歳をとってからなら白髪でもいいけど若いうちはよせと言われるのか。

それは、白髪が「老い」を象徴するから、ではないでしょうか。※実際は遺伝などさまざまな要因で、若くて白髪がある方もいらっしゃいます。

「老いを見せるな」という価値観。

私がおしゃれが目的ではない、白髪を隠すためだけの白髪染めに、なんとなく違和感をもった理由も分かりました。

先に挙げた

白髪を染めることに、これだけの時間とお金をかけるだけのメリットがあるのだろうか

という問いはすなわち、

老いを隠すことに、これだけの時間とお金をかけるだけのメリットがあるのだろうか

と同義です。

「老い」は隠すべきものか

私は実年齢以上に若く見せることに、あまり興味がありません。44歳の私を35歳に見せることで何かよいことがあるのか、メリットが感じられないからです。

「健康的に見られたい」「聡明に見られたい」とは思いますが、「見せる」というよりは「健康でありたい」「聡明でありたい」ということです。

また、「ありのままの素の自分に、その人ならではの魅力が宿る」とか「自分の価値観を大事にしよう」などとライティングやブランディング、生き方に関するセミナーなどで話しています。

そんな私が自分を若く見せようと、自分でメリットも感じていない白髪染めを続けるのは、どうにも矛盾があります。

ちょうどそんなとき、「白髪のまま」を「林原さんに似合っていてかっこいい」と言ってくれる美容師さんにも出会いました。

というわけで、

「現時点で、私には白髪を染める理由がない」

という結論に達しました。

白髪染めを止める髪型の変遷

白髪染めを止めるとどうなるか。ご参考になるよう、髪の変化を確認してみました。

こちらは2012年38歳、カラーを入れていたころです。

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※この髪色も好きですよ

2013年、白髪との境目が目立たないようにと明るめの茶色のカラーを入れていました。

この頃から、白髪のままにしようかなあと考えはじめました。

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2013年末、カラーの入っている部分をすべてカットしようとしたためベリーショートになりました。

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2014年5月、自分の髪の色です。この写真だと白髪が目立ちませんが、実際はもう少しチラホラあります。

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2015年11月、表面にも白髪が見えますね。

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2016年9月、日本では「白髪頭はショートかボブ」が多いなか、欧米の白髪美人も参考に、伸ばしてはどうかと考えたころ。

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2017年6月、エアロビクスに汗を流しているところでボサボサです。この写真は白髪が多く見えますね。

自分としては、だからって実年齢(43歳)に比べてすごく老けているとも思わないのですが、いかがでしょうか。

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同じ時期、きっちりまとめているときはこんな感じです。

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現在も、仕事のときはおでこを出したまとめ髪でいることがほとんどです。

疲れ目のせいか、こめかみは特に白髪が多いのですが、もう隠そうともしていません。

白髪染めを止めた効果

一番の効果は、時間とお金の節約です。

また、伸びた髪の根本を見て、気が滅入ることもなくなりました。白髪と白髪染めからの呪縛から、自由になれた気がします。

そのほかにも、髪が傷みにくくなって枝毛が減ったとか、頭皮が健康になったせいか顔の肌がキレイになったように感じています。

「汚い」やら「老けている」やら見た目の印象についての反応はどうかな…と当初は心配しましたが、女性は、ほとんどの方が「潔い」「かっこいい」などとおっしゃってくださいます。

私の白髪に「旦那さんが悲しむよ」などとアドバイスされる男性は、やっぱり若い女性がお好きなようなので、まあ、こういう方からの評判はどうでもいいかと(笑)。

白髪のせいで、仕事を失ったとか、友達をなくしたとか、家族が恥をかいたといった「白髪がもたらす見た目の印象で損をした」という実感は一度ももっていません。

長女と次女が言う通り、私の頭が黒かろうと白かろうと、他の人にとっては大した問題ではないんですよね。自分が一番気になっていた、というところでしょう。

自分のアタマで判断しよう

私が言いたいのは、「白髪染め反対!」ということではありません。

白髪を染めるほうが、自分にとってしっくりくるとか、それで自信が出るとか、そういうことなら、おおいにけっこうだと思います。

おしゃれなカラーリングを否定するものでもありません。

それによって自分らしい装いができたり、気持ちが明るくなったりすなどなら、とても素敵なことだと思います。

ただ、「本当は止めたいのに」と感じながら、「常識(とされていること)」に縛られたり、他の誰かの価値観に合わせて生きたり、自分のアタマで判断することなく思考停止していたりするのだとしたら、そのために不自由を味わっているのは残念なことだと思います。

「止めたいけど……」と悩んでいる方には、「自分が思うほど周りは気にしていませんよ。やりたいようになさってみては」とお伝えしたいばかりです。

試してみて不都合があれば、また染めればいいだけのことですから。

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