料理初心者とワーキングマザーにオススメの料理本(のような人生論)『聡明な女は料理がうまい 』(桐島洋子)

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私は料理が好きで、幼い頃からたくさんのお料理本を読んできました。そんな料理本の中には「バイブル」といえるくらい読んだ本があります。今回はその1冊をご紹介します。

 

目次

今読んでも新しい家庭料理指南書

それは、聡明な女は料理がうまい (文春文庫)という本です。

発刊は昭和51(1976)で、私が2歳のとき。実際に購入したのは、平成2(1990)年に出された文庫版の方です。

発刊から14年を経てから文庫版になる際、ほとんど当初のまま(その後旅で出会った味覚を紹介した新章「デザート」を加筆)というのですが、今読んでも内容もメッセージも、ちっとも古くなっていません。

著者の桐島洋子さんは、昭和12(1937)年、東京生まれ。

文藝春秋に8年ほど勤務の後、フリールポライターとなり、海外各地を取材し、著書も多数あります。また、未婚のまま3人のお子さん(第一子はモデルの桐島かれん、第二子は写真家の桐島ローランド、第三子はエッセイストの桐島ノエル)を出産し、育てたことも当時は有名だったそうです。

料理本のカタチをした若い女性向けの人生論

その語り口も論旨も明解そのもので、例えばプロローグの見出しを拾っても、こんな調子です。

・すぐれた女性は必ずすぐれた料理人である
・女が「女性化」すると料理がヘタになる
・女は男並みの家事無能力者になってはならない
・料理を愛する心は人生論よりためになる

出版社からの依頼は「若い女性向けの人生論」だったそうですが、「料理の本の方が、よっぽど若い女性のためになる」という考えで、この本の執筆が決まったそうです。そして見事ベストセラーとなった1冊です。

若い女性向けということで、内容は、まったく料理しない女性が取り組むべきレシピや限られたスペースに揃えるべき台所道具と調味料、気軽にホームパーティを開いてもっと話そう……と、料理初心者に丁寧なアドバイスをしています。

もちろん、桐島さんならではの鋭い視点の料理論や暮らしに対する哲学、さまざまな国の料理をアレンジした得意料理などのレシピは、料理好きの方にも参考になる内容です。

仕事と育児の両立を支えてくれた一節とレシピ

私にとって特に印象深く残っているのは、「必要のない進歩は料理をダメにする」という節でインスタント食品やだしの素を論じた部分です。

こんぶやかつお節だってやはり一種のインスタント食品で、これくらい便利ならそれで十分だと私は思う。鍋に水とだしこんぶを入れて火にかけ、煮立つ寸前にこんぶを引き上げ、かわりにかつお節を入れて一煮立ちさせるのが私のだしのとり方だが、この程度の手間と時間も惜しいほどせっぱつまって忙しいことはあまりない。

シングルマザーで3人のお子さんを育てながら(ベビーシッターやお手伝いさんなど外部の手もあったようですが)執筆活動をされていた桐島洋子さんにこう言われてしまうと、「自分はそれより忙しいか?」と考えてしまいました。

そして、子供が小さいうちにフルタイム勤務の編集者になった私は、料理を投げ出したくなったとき、この一文を思い出し、心を奮い立たせたものです。

また、紹介されているレシピの中で、もっとも役に立ち、子供たちが大好きだったのが、フローズンクッキーです。

基本の生地に、レーズンや粉チーズなど好みの具材を入れて、棒状に伸ばして冷蔵庫に凍らせておくと、子供たちが食べたい時に食べたい分だけカットして焼いて、食べることができます。

私の場合は、基本のレシピを参考に数倍の量をフードプロセッサーを使って混ぜて、凍らせておきます。

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こんな感じ。

焼き立てのクッキーというのは、市販品ではなかなか味わえないものですが、その美味しさは格別です。

私が執筆しているときに、子供たちが自分で焼いて、差し入れをしてくれることもありました。

今でもこの本を時々読み返します。読むたびに、その内容から新しい発見があります。

また桐島さんの文章はリズムがよく、美しく、文章を学ぶうえでも、参考になる1冊です。

参考 林原りかのフローズンクッキー

材料

  • バター(無塩・グラスフェッドバター)140g
  • きび砂糖 120g
  • 卵黄 2個分
  • 塩 1つまみ
  • 薄力粉 200g
  • ベーキングパウダー 小さじ1

作り方

  1. フードプロセッサーでバターときび砂糖を白っぽくなるまで混ぜ、卵黄を加えて混ぜる。粉類を加えて、粉が見えなくなるまで混ぜる。
  2. オーブンペーパーの上に出して棒状にまとめる。オーブンペーパーでくるんで両端をねじって止める。
  3. 冷蔵庫で1時間以上冷やす。5mm厚さにカットして、オーブンで180度で13分焼く。
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桐島洋子さんは40歳になる少し前、1年間の休暇を宣言。3人の子供をつれてニューヨーク郊外のイースト・ハンプトンで過ごしました。そのときのお話です。


マザー・グースと三匹の子豚たち

私が「子供たちを連れて外国に行く」と発想し、実行したのは、この本に大きく影響されています。

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