デンマークも6日目。今日は、起業家と民間企業を訪問する予定です。
今までの訪問先で、自治体に務める人たちの待遇のよさ、デンマークの社会福祉の手厚さはよくよくわかりました。
といっても、日本を想像しても、公務員は比較的労働環境が恵まれています。でも、「儲けなくてはいけない」をミッションとしている民間企業の場合は「ちょっと残業してでも、プラスワンのサービスを」となりがちです。
また、「労働者」が守られている…という印象のデンマークで、起業家(や中小企業の経営者)がどのような状況なのかも気になりました。
まずお邪魔したのは、「コペンハーゲン・プロジェクト・ハウス」という施設です。この場所では、施設の取り組みを伺ったあと、2人の女性から話を伺いました。
女性ネットワーク「Ladies First 」を作ったメンバーのひとり・アレクサンドラさん(右)と、「コペンハーゲン・プロジェクト・ハウス」の支援で「痛くないハイヒール」を作る会社を起こしたフレデイケさんです。
こちらの施設はコワーキング・オフィスやイベントスペースを併設する建物を核に、社会的な問題の解決を目指す社会起業家の支援を行っています。
デンマークでも、公務員や民間の労働者に保障されている労働時間の規制や手厚い育児支援などは、起業家は例外のようです。事業を諦め、再就職しようとするときも、完全に事業をやめてからはじめて、ハローワークのようなところに登録できるそう。その点は日本よりも厳しいかもしれません。
ただ、フリーランスや中小企業の経営者向けに、病気のときに支給される保険のようなシステムがあるとか。
日本では、育児で仕事をやめた女性が起業…というケースも多くみられ、女性向け起業セミナーなども盛んです。
しかし、デンマークでは公務員や労働者の女性は、子供を産んでも働ける環境が整っています。そのため、「子育てと両立するために起業」という発想はなく、「育児の空いた時間で…」という趣味的な起業もよほど裕福な家庭でないかぎり考えにくいそうです。
午後からは製薬メーカー・ノボノルディクス社の研修センターを見学。
副社長のアネリーゼ・ゴールドステフィンさんから、同社の女性活躍やダイバーシティへの取り組みについて伺いました。
「デンマークでは労働時間が短いのに、どうやって競争力を維持、向上させているのか」という質問には、「高学歴まで教育を受け、必要なスキルを持っていて、人間的に成熟した人たちが入社するからでは」との答え。
そう、デンマークではギャップイヤーやモラトリアムを経てから大学に入ったり、社会活動やボランティアを経験したり、フォルケホイスコーレで学んだ人たちの方が、新卒よりも価値が高いと考えられているんですよね。
こうした考え方も、日本と違っていて、面白いものだと思いました。
お話を伺った後は、館内を見学させていただきました。
素敵なインテリアにうっとり。
遊び心あふれるお部屋もありました。
デンマークでお邪魔した施設は、市役所も含め、どこもほんとうに素敵なインテリア。心地よい空間を作ることも、幸福感のポイントかもしれません。
デンマーク最後の夜は、参加者みんなで夕飯をいただき、その後23時頃まで、これまで見たこと、感じたことを話し合いました。
ホテルに戻るとロビー横のバーでは、生演奏。その演奏に合わせて踊る人、語る人、いろんな人がいました。中には家族連れも(写真手前)。
赤ちゃんもちいさいお子さんも一緒に、音楽を楽しんでいらっしゃいました。自立と自主性、多様性、それぞれの心地よさを尊重するデンマークらしい風景だと感じました。
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